目標:
・小麦粉を使わず、じゃがいも由来の食感を最大化。
・湯戻し3〜4分でモチっと弾力ある食感。
・崩れにくく、保存期間1〜3か月を確保。
基本配合(試作バッチ:500g)
| 材料 | 分量 | 備考 |
|---|---|---|
| じゃがいもデンプン(片栗粉) | 60%(300g) | 主構造材。北海道産片栗粉推奨。 |
| 小麦グルテン粉 | 20%(100g) | 結着強化と弾力保持。 |
| メチルセルロース(MC) | 2%(10g) | 熱ゲル化性を利用。茹で崩れ防止。 |
| 食塩 | 2%(10g) | 粘弾性向上・味付け。 |
| 水(またはぬるま湯) | 16%(80ml前後) | 状態を見ながら加水。 |
| じゃがいもフレーク(粉末) | 任意(5〜10%) | 風味・色味強化。 |
練り・押出・成形工程
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粉体混合
デンプン・グルテン・メチルセルロース・塩をよく混合(乾燥状態で均一に)。 -
加水・練り
少しずつ加水しながら、しっとり〜軽くまとまる程度に練る。
(小麦麺のような“こね弾性”は出ないが、グルテンとMCで粘着を確保) -
押出または延ばし成形
パスタマシン・麺押出機・射出ノズルで直径1.2〜1.5mm程度に押し出す。 -
低温予乾燥
60℃で30分送風乾燥(表面水分を飛ばす)。 -
最終乾燥
45〜50℃で6〜8時間乾燥。湿度は30〜40%を維持。
※60℃を超えるとデンプンが部分糊化し、再加水時に崩れやすくなる。 -
冷却・包装
室温まで冷まし、乾燥剤とともに密封パッキング。
調理・再水和試験
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沸騰水で3〜4分茹で。
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スープ投入後も1分以内に食感が落ちないかを確認。
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理想は「透明がかり+コシのある弾性」。
改良オプション
| 目的 | 添加素材 | 効果 |
|---|---|---|
| 弾力アップ | 卵白粉 5% | タンパク架橋効果。風味も良化。 |
| しなやかさ | グリセリン 2% | 保湿・乾燥割れ防止。 |
| 麺の艶出し | 植物油 1% | 滑らかな舌触り。 |
| 茹で伸び抑制 | タピオカスターチ 10% | 弾性強化。ポテトとの相性良。 |
試作品評価ポイント(官能検査目安)
| 項目 | 評価指標 | 理想値 |
|---|---|---|
| 再水和時間 | 沸騰水中で3〜4分 | ○ |
| 食感 | 弾力・粘りのバランス | もちもち・切れにくい |
| スープ吸収性 | 表面に膜を作らない | 適度に吸う |
| 乾燥安定性 | 湿度60%でも割れない | ○ |
| 保存性 | 25℃で1〜3か月 | ○ |
備考
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乾燥温度が高すぎると、メチルセルロースのゲルが壊れやすくなる。
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低温乾燥を徹底することで透明感と粘性が安定。
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製品として販売を目指す場合は、食品衛生法に基づき水分活性Aw<0.6を目標に。
