PICO Motion Tracker

　PICO Motion Tracker（ピコモーショントラッカー）は、PICO 4 UltraとPICO 4、PICO 4 PRO、PICO Neo 3ユーザーの一部Picoシリーズでのみ使用可能なフルトラデバイスです。PICOMotionTrackerは、IMU方式や赤外線LED、HMDのカメラによる位置推定など複合的な要素を組み合わせた方式（以下当サイトでは複合式と記載）です。]2024年9月20日発売したPICO 4 UltraとPICO 4、PICO 4 PRO、PICO Neo 3ユーザーの方のみが対象で、Questユーザーは対象ではありません。両足に小型のモーショントラッカーを付けるタイプのフルトラになります。現地価格が11,800円、2個でフルトラの場合、腰部分はカメラなどによる位置推定で、3個まで取付け可能です。

重量・価格・遅延等

　重量は27gで、起動時に別アプリを開いて頭を下に向けて足に合わせボタンを押すことで5秒ほどキャリブレーションします。1個の9軸IMUセンサーと赤外線センサーの組み合わせによるトラッキング方式。PICO Motion Trackerのデータ送信による遅延は約20ミリ秒（送信時間であってVRChat上での遅延はもっとあると思います）で、位置ズレは約5cm位、角度ズレは6°、25時間持つと公式は発表しています

ただ、トラッキングに関しては、IMU方式に近いため、IMU方式をメインに説明します。

■トラッカーを付けた位置＝トラッキングポイントではない

　本トラッカーの位置精度で主要な役割を果たしているIMU方式は、トラッカーを付けた箇所＝トラッキングポイントではありません。つまり、トラッカーを付けることによって、体の大きさや動き、位置を「推定」するデバイスとなっています。このため、メーカー推奨位置の体への正確な取り付けなどが重要なポイントでした。

■2個つけるだけ＆面倒な設定不要でフルトラ可能というメリット

　体の情報を読み取るため、従来のIMU方式のデバイス（ハリトラワイヤレス、Unimotion、mocopi等）では、頭➡胴体➡足とセンサーを取り付けることで、体全体の動きを読み取っており、センサーの数を5個以上取り付けるのが、当たり前でした。

　また、各種専用ソフトによる中間ソフトが必要で、その設定や手間にも時間がかかっていました。これは、ViveTrackerのような3個取付でフルトラ可能＆中間ソフトによる調整が不要な光学式フルトラと比べても、非常に不利な点です。

　今回の複合式であるPICO Motion Trackerの最大の特徴は、足首にトラッカーを２つ装着するだけでフルトラになれて、面倒な設定が一切不要という点、従来必須だった腰や胸につけなくてもよい点というです。さらに、価格も11,800円と非常に安いのが特徴です。

■HMDの終売で使えなくなるというデメリットも

　簡単で安いと聞くと非常に使い勝手がいいかと思います。ただし、デメリットもいくつかあります。一つが対応HMDが限られるということです。HMDの終売は、結構な頻度で行われており、直近でも、QuestProなどが該当します。ほかにも、販売終了ではないけど、購入が難しい事例もあります。例えば、ライトハウス方式では、ValveIndex等が購入が難しい状態でした。このように、専用のフルトラデバイスだと、HMDメーカーが対応HMDを作り続けていない限り、フルトラができなくなります。

■そのほかの詳細について

主なメリット、デメリットを上げましたが、詳細についてまで記載できませんでした。
トラッカーを何個つけられるのか？　等その他

　■動きの再現度が他のデバイスと比べてどうか？
　■2個取り付けて動いた場合
　■3個つけた場合の比較動画
　■それぞれのメリットデメリット
　■VR睡眠時の様子等

の詳細はこちらに記載しています