Nebius、2025年第3四半期の決算を発表
アムステルダム、2025年11月11日
Nebius Group N.V.(NASDAQ: NBIS)は、AIインフラストラクチャーのリーディング企業として、2025年9月30日に終了した第3四半期の未監査財務結果を発表しました。同社はまた、創業者兼CEOであるアルカディ・ヴォロジ氏による株主宛書簡を公式IRサイト(https://nebius.com/investor-hub)で公開しています。さらに、Meta社と約30億ドル(5年間)のAIインフラ提供契約を締結したことも併せて発表されました。
Nebiusは、最大2,500万株のクラスA株式を対象とした「At-The-Market(ATM)方式の株式発行プログラム」を導入予定で、
このプログラムのための目論見書補足書類を2025年11月12日に提出予定です。同社は今後の資本ニーズに応じてプログラムを柔軟に活用しつつ、株式希薄化には慎重に対応しながら成長資金を確保していくとしています。
経営陣による決算説明ウェブキャストは、米東部時間の午前8時(CET午後2時)から開催予定です。
視聴登録・ライブ配信はIRサイトで受け付けています。
■ 2025年第3四半期の財務ハイライト(単位:百万米ドル)
| 項目 | 2024年Q3 | 2025年Q3 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 32.1 | 146.1 | +355% |
| 調整後EBITDA損失 | -45.9 | -5.2 | 改善(-89%) |
| 継続事業からの純利益/損失 | -43.6 | -119.6 | 損失拡大(+174%) |
| 調整後純損失 | -39.7 | -100.4 | +153% |
| 9か月累計売上高 | 56.3 → 302.1 | +437% |
※Tolokaの連結除外後、持分法適用へ変更済。
■ 営業費用の内訳(単位:百万ドル)
| 項目 | 2024年Q3 | 2025年Q3 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上原価 | 9.9 | 42.9 | +333% |
| 研究開発費 | 31.4 | 44.9 | +43% |
| 販売・管理費 | 47.9 | 89.5 | +87% |
| 減価償却費 | 23.5 | 99.0 | +321% |
| 合計営業費用 | 112.7 | 276.3 | +145% |
株式報酬費用(SBC)は26.1百万ドルで、前年同期比+278%。
■ キャッシュフロー概要
| 区分 | 2024年Q3 | 2025年Q3 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -34.9 | -80.6 | -131% |
| 設備投資(CapEx) | -172.1 | -955.5 | -455% |
発行済株式総数は2億5,180万株(うちクラスA株:2億1,815万株、クラスB株:3,364万株)。
自己株式として1億1,023万株のクラスA株を保有。
■ 会社概要(About Nebius)
Nebiusは、世界のAI産業向けフルスタック型クラウドインフラを構築するテクノロジー企業です。
本社はアムステルダム、NASDAQ(ティッカー:NBIS)上場企業であり、欧州・北米・イスラエルにR&D拠点を持ちます。
主な事業領域:
-
AIクラウド基盤:高強度AIワークロードに特化したクラウドアーキテクチャと自社設計ハードウェアを提供。
-
Avride:自動運転車・配送ロボット技術を開発。
-
TripleTen:エドテック(教育テクノロジー)事業。米国を中心に人材リスキリングを推進。
-
ClickHouse / Toloka:AIデータ・分析関連企業への持分投資。
詳細は https://nebius.com/investor-hub を参照。
■ 将来予想に関する記述
本資料には将来の見通しに関する記述(フォワードルッキング・ステートメント)が含まれています。
これらは現時点での予測・見解に基づくものであり、実際の結果とは大きく異なる可能性があります。
不確実要因には以下が含まれます:
-
業界内での競争力維持と事業計画の遂行能力
-
顧客基盤の拡大および維持
-
必要なハードウェア供給を適正条件で確保できるか
-
資本調達の可否
リスク要因の詳細は、2024年12月期年次報告書(Form 20-F、2025年4月30日SEC提出)に記載されています。
■ GAAP/Non-GAAP 指標について
Nebiusは、経営判断およびパフォーマンス分析のため、以下の非GAAP指標を補足情報として使用しています:
-
Adjusted EBITDA(調整後EBITDA):
純利益(損失)に、減価償却費・株式報酬・金利・税金・一時的費用等を加減。 -
Adjusted Net Income / Loss(調整後純利益/損失):
外貨換算損益・有価証券評価益などを除外した純損益。
経営陣は、これらの指標が企業の中核的な営業実績をより明確に示すと説明しています。
■ 総資産・負債・資本の状況(2025年9月30日時点)
| 区分 | 金額(百万ドル) |
|---|---|
| 総資産 | 10,102.2 |
| 現金および現金同等物 | 4,794.8 |
| 固定資産 | 3,314.4 |
| 総負債 | 5,291.4 |
| 自己資本 | 4,810.8 |
■ 補足事項:Toloka関連
2025年第2四半期にTolokaへの投資取引が完了し、NebiusはTolokaの議決権過半数を喪失。
これによりTolokaは連結除外・持分法適用会社となり、過去の業績は「非継続事業」として再分類されました。
■ 株式報酬(SBC)と外貨影響
株式報酬費用はNebiusの報酬制度の重要な構成要素。
株価変動に依存するため、経営陣は「営業実績の把握を明確化する目的でSBC影響を除いた数値も開示」と説明。
一方、為替損益は米ドル基準で集計されており、為替変動の影響を除外したAdjusted指標も併せて提示。
■ 決算概要(損益計算書抜粋)
| 項目 | 2024年Q3 | 2025年Q3 |
|---|---|---|
| 売上高 | 32.1 | 146.1 |
| 営業損失 | -80.6 | -130.2 |
| 継続事業純利益 | -43.6 | -119.6 |
| 非継続事業純利益 | -50.6 | 0 |
| 総純利益 | -94.2 | -119.6 |
■ 総括
Nebiusの2025年第3四半期は、AIクラウド需要の急拡大による売上成長(前年比+355%)が顕著でした。
同時に、設備投資・減価償却費の増大が続くものの、Adjusted EBITDAでは損失大幅縮小。
Metaとの大型契約や資本政策により、2026年以降の黒字転換が現実味を帯びています。
@romanchernin のコメント
第3四半期の結果(非公式版、要約) 1. 私たちが持っていたものはすべて売れました 2. 私たちはもっとたくさん作りました
https://x.com/romanchernin/status/1988227201926365194
