NVIDIA Q2 2026 決算サマリー&カンファレンスコール(2025/08/27発表)

検索

【PR】・生成AIを体系的に学べる!僕も学んだセミナーを紹介!

今だけ6000円以上お得!おススメフルトラはこちら 記事中にサイト運営維持のためのアフィリエイトリンクを含む場合があります。

フルトラ研究所フルトラ研究所
サイトの利用規約を必ずご確認ください。PC利用がお勧めです。

業績概要

  • EPS(調整後):$1.04(予想 $1.01)

  • 売上高:$467.4億(予想 $461.3億、YoY +56%)

  • 粗利益率(調整後):72.7%(予想 72.1%)

  • 営業利益(調整後):$301.7億(予想 $293.6億、YoY +51%)

  • フリーキャッシュフロー:$134.5億(前期 $261億)

セグメント別

  • データセンター:$411億(予想 $412.5億、YoY +56%)
     Blackwell製品 QoQ +17%、OpenAIで業界最高性能実証

  • ゲーミング:$43億(YoY +49%)
     RTX 5060がx60クラス史上最速の立ち上がり

  • プロフェッショナルビジュアライゼーション:$6.01億(YoY +32%)

  • 自動車:$5.86億(予想 $5.93億、YoY +69%)

ガイダンス

  • 次四半期売上高:$540億(予想 $527.6億、QoQ +15%想定)

  • 通期売上高/EPS:予想値(売上高 $2,034億、EPS $4.37)を上回る見込み

注目トピック

  • Blackwell Ultra:生産フル加速、需要は「驚異的」

  • RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition:Disney、TSMC、SAPなど主要企業が採用

  • 株主還元:新たに $600億の自社株買い枠承認、上半期だけで$243億還元

  • AI性能:OpenAIのgpt-oss-120bで秒間150万トークンをBlackwell GB200 NVL72が実現

  • 自動運転:NVIDIA DRIVE AVが本格生産フェーズへ

CEO ジェンスン・フアン コメント

「Blackwellは世界が待ち望んでいたAIプラットフォーム。NVLinkラックスケールは革命的で、AIレースの中心にある。」

株式市場と評価

  • 時価総額:$4.43兆

  • PER:58.8、Forward PER 40.3

  • 株価:時間内 $181.75 (-0.01%) → 時間外 $176.36 (-2.84%)

  • 目標株価(AI推定):$178.2(決算前 $167.24)

まとめ

NVIDIAのQ2決算は、売上・EPSとも市場予想を上回る堅調な内容。特にBlackwell製品の立ち上がりが異例の速さで進んでおり、データセンター需要が牽引。フリーキャッシュフロー減少は設備投資増の影響だが、強気のガイダンスと大規模な自社株買いが市場への自信を示す。
評価:ポジティブ📈、ただし株価は短期的に利益確定売りで軟調。

NVIDIA カンファレンスコール要旨(ジェンスン・フアンCEO発言)

次世代プラットフォーム「Rubin」

  • Rubin は 第3世代 NVLINK ラックスケール AIスーパーコンピュータ

  • 6つの新チップを開発済み、すでに TSMCでテープアウト

  • Blackwellの次を担うプラットフォームとして、より成熟したサプライチェーンを備える。

 AIファクトリー構想のスケール

  • Blackwell + Rubin が、3000〜4000億ドル規模のAIファクトリー市場を支える。

  • GPU世代ごとにAIデータセンターの規模は急拡大:

    • Hopper世代 → 数十MW級、数千GPU

    • Blackwell世代 → 100MW級、数十万GPU

    • Rubin世代 → 数GW級、数百万GPU(マルチサイト構成)

AI進化の方向性

  • チャットボット → 推論エージェントAI への進化が進行中。

  • 「エージェンティックAI」によって、学習・推論能力が桁違いに向上。

  • 企業・業界ごとの特化型AIエージェントを構築可能に。

  • エンタープライズのワークフロー、製品、サービスに深く浸透していく。

 フィジカルAI時代の到来

  • 次の大波は ロボティクス・産業オートメーション

  • すべての産業において「2つの工場」が必要になる:

    1. 物理ロボット工場(ハードウェア製造)

    2. ロボットAI工場(頭脳・AI開発)

  • 新しい産業革命の始まりを示唆。

まとめ

NVIDIAは今四半期に過去最高売上を記録。CEOは Rubin世代の投入とともに、AIファクトリー市場が数千億ドル規模に拡大し、AIが「チャットボット」から「自律的エージェント」へ、さらに「フィジカルAI」へ進化する未来を強調。
新産業革命の幕開けを宣言する強気のメッセージ。

NVIDIA Q&A要旨(2025/08/27 カンファレンスコール)

 質問の要点

  • 2028年までにデータセンターインフラ支出が 3〜4兆ドル規模になるという見通しについて確認。

  • 過去には「1兆ドル規模」と発言していたが、これはコンピューティング支出のみだったはず。

  • つまり今後 2兆ドル以上がコンピューティング支出に回るのか?

  • そのとき NVIDIAのシェアはどの程度になるのか?

  • 電力などのボトルネックについて懸念は?

ジェンスンCEOの回答要旨

  1. 投資規模の拡大

    • 上位4社のハイパースケーラーの設備投資は2年間で倍増し、年間6,000億ドル規模に到達。

    • これはまだ一部であり、クラウドサービスやエンタープライズも積極投資を進めている。

    • 今後5年間で 3〜4兆ドル規模という見通しは妥当。

  2. NVIDIAのシェア

    • ギガワット級AIファクトリーは1基あたり 約500〜600億ドルの投資が必要。

    • そのうち 約350億ドルをNVIDIAが担う(約70%シェア相当)。

    • GPUだけでなく、チップ6種を組み合わせたAIインフラ企業として提供している。

  3. 電力制約と効率

    • 世界的に「電力供給」がAI成長の制約要因になるのは確実。

    • NVIDIAは ワットあたりの性能効率を最大化する設計を重視。

    • 投資1ドルあたりのパフォーマンスが高いため、顧客にとって粗利益率改善に直結。

まとめ

  • 2028年までに3〜4兆ドルのAIデータセンター投資は現実的。

  • NVIDIAは1基あたりの設備投資の 約70%を担う存在として強固なポジションを確保。

  • 最大のボトルネックは 電力供給だが、NVIDIAは「効率性(ワットあたり性能)」で差別化し、成長を持続させる方針。

NVIDIAはGPU企業から“AIインフラ企業”へ完全に進化し、巨額のAI投資市場の中核を握る存在になった

NVIDIA カンファレンスコール要旨(競争環境・ASIC vs GPU)

質問のポイント

  • Broadcomをはじめ、ASICによるAI専用チップ開発が活発化している。

  • 顧客も複数のASICプロジェクトを進めており、市場がGPUからASICへ移行する可能性は?

  • NVIDIAは競争をどう見ているか?

ジェンスンCEOの回答要旨

  1. ASIC開発は困難

    • 多くのプロジェクトが立ち上がるが、製品化されるのはごく一部。

    • AIファクトリーは年々複雑化し、必要とされる技術は「世界で最も極端なコンピュータサイエンスの課題」となる。

    • 単純なチップ開発では対応できず、フルスタック設計能力が必要。

  2. NVIDIAの強み

    • 幅広いソフトウェア互換性:あらゆるクラウド・オンプレ・エッジ・ロボティクスで同じプログラミングモデルが使える。

    • 全てのフレームワークがNVIDIAをサポートしており、新しいモデルはまずNVIDIAで展開される。

    • データ処理 → 事前学習 → 強化学習 → 推論まで、パイプライン全体を加速可能。

  3. システム全体での優位性

    • BlackwellやRubinでは、GPUだけでなくCPUやNIC、メモリ設計まで含めた包括的なシステムアーキテクチャを構築。

    • エージェントAIには大容量キャッシュや低消費電力メモリ接続などが必須であり、単体ASICでは不十分。

  4. 電力効率と経済性

    • ワットあたり性能が最高水準。電力制約のあるデータセンターでは収益性に直結。

    • NVIDIA製品は「買えば買うほどパフォーマンスと利益率を高められる」構造。

    • 1ドルあたりのパフォーマンスと粗利益率は業界トップ

まとめ

  • NVIDIAはASICとの単純比較を否定し、**自社は「チップメーカー」ではなく「AIファクトリーのためのフルスタック・インフラ企業」**と位置付け。

  • GPU単体ではなく、ソフトウェア・システム全体のエコシステムで優位性を確立。

  • 電力効率・ワットあたり性能・総合的な経済性で差別化し、ASICの脅威を相対化。

「ASICは断片的だが、NVIDIAはフルスタックで全領域を支える唯一の存在」

NVIDIA カンファレンスコール要旨(中国市場について)

質問のポイント

  • 中国での 20〜50億ドル規模の出荷見通しについて確認。

  • 第4四半期以降の持続性はどうか?

CEO回答要旨

  1. ライセンス状況

    • すでに最初のライセンスは取得済み。

    • 供給体制も整っており、今四半期に20〜50億ドル規模を出荷できる可能性がある。

  2. 不確定要因

    • 政府・企業間で調整中のため、実際の出荷数量はまだ確定していない

    • 地政学的リスクもあり、進捗を見守る必要がある。

  3. 今後の展開

    • 追加ライセンスを取得できれば、H20の増産・追加出荷も可能

    • ただし短期的な見通しは流動的。

まとめ

NVIDIAは中国向けにすでにライセンスを取得し、出荷準備は完了。20〜50億ドル規模の売上が四半期内に立つ可能性があるが、最終的な数量は 地政学的要因と政府・企業間の調整次第。今後、追加ライセンス次第でさらに拡大余地もある。

NVIDIA カンファレンスコール要旨(中国・ガイダンス・ネットワーキング関連)

🇨🇳 中国事業の状況

  • データセンター収益に占める中国比率は 前期比で1桁台前半に低下

  • Q3見通しには中国向けH20出荷を含まず

  • 7月末に米国政府がH20の販売ライセンス審査を開始。

    • 一部顧客はライセンスを取得したが、まだ出荷は行われていない。

  • 地政学的制約が残れば、Q3のH20収益は20〜50億ドル規模になる可能性。

  • 米政府がH20売上の15%を米国に還元する案に言及したが、規則化は未定

  • NVIDIAは引き続き Blackwellの中国承認を米国政府に要請中

シンガポールの特殊要因

  • Q2でシンガポール収益が 全体の22% を占める。

  • 実際には米国顧客が請求をシンガポールに一元化したためであり、
    シンガポール収益の99%以上は米国顧客向け

 Q3 ガイダンス

  • 総売上高:540億ドル ±2%(前期比 +70億ドル以上)。

  • 粗利益率(予想):

    • GAAPベース:73.3% ±0.5pt

    • Non-GAAPベース:73.5% ±0.5pt

  • 年度末まで 粗利益率は70%台半ばを維持する見通し。

ネットワーキング事業

  • Q2収益:73億ドル(前期比 +46%、YoY +98%)と過去最高。

  • Spectrum X Ethernet 年間収益は 100億ドル超え

  • Hot Chipsで 分散データセンターを統合するSpectrum XGS Ethernet技術を発表。

    • 初期導入企業 Farweave が採用、GPU間通信速度が 2倍に。

  • InfiniBandは新技術 XDR 採用で、前世代比 帯域幅2倍、売上も前期比ほぼ倍増。

 まとめ

  • 中国収益は不透明:ライセンス審査中のためQ3見通しに織り込まず。承認されれば20〜50億ドル規模。

  • 米国・シンガポール経由の収益が強く、中国依存度は低下傾向

  • ネットワーキング事業が急成長し、Spectrum XとInfiniBandの需要が売上を牽引。

  • ガイダンスは引き続き強気で、売上高540億ドル・粗利73%台半ばを予想。

https://x.com/hiro124_VRC/status/1960837802754716072