教皇選挙の概要と歴史的背景
カトリック教会における新教皇選出の儀式「コンクラーベ」は、枢機卿がバチカンに集まり、聖職者による密室の投票で次の教皇を選びます。1500年代以降、選出には3分の2以上の得票が必要とされ、投票の都度紙を焼き、煙の色—黒煙（未決定）と白煙（決定）—で結果が示されるスタイルは有名です。歴史的には1292〜94年まで約3年続いた教皇選出もありましたが、近代では数日で済むことが常とされています。
最近の選挙：2013年フランシスコ教皇選出と2025年の動向
2013年3月、ベネディクト16世の退位を受け、115人（実際には117人中115人）の枢機卿が参加し、わずか5回目の投票で、アルゼンチンのホルヘ・ベルゴリオ枢機卿が選ばれ「フランシスコ」と命名。選出までにかかったのはわずか2日間でした。
そして2025年、フランシスコ教皇死去に伴い、新たなコンクラーベが始動。今回は135人規模の選挙人枢機卿が参加予定で、国際化がさらに進んでいます。
映画『Conclave』って何？
2024年公開のサスペンス映画 Conclave（邦題『コンクラーベ』）は、教皇選出を舞台に政治的陰謀や人間模様を描いたドラマです。枢機卿たちが密閉された環境で投票を繰り返す中で、権力闘争や秘密が明かされ、最終的に「救世主」としてインターセックスの枢機卿が選ばれるという意外な展開が話題になりました。
感想
そもそもコンクラーベについて知らなかったので、驚きの連続でした。宗教的重みと歴史的伝統が融合した、まさに「儀式のドラマ」として圧倒されました。黒・白の煙による象徴的演出や、世俗を遮断した密室での選出プロセスは驚きを隠せませんでした。
映画『Conclave』は、現実の儀式を踏まえつつフィクションとしても見応えがあり、宗教・政治・ジェンダーを巡る複雑な人間ドラマとして圧巻です。儀式と人間性がせめぎ合う瞬間に、映画ならではの深い問いかけを見出せます。