HaritoraX2は、シフトールが販売している9軸IMU方式のフルトラデバイス。(当サイトでは、以下ハリトラ2と記載)。実質的に、HaritoraXWireless(以下ハリトラワイヤレス)の改良版後継機。
その後、ユニモーションの新型フルトラデバイスOpsensが11月上旬発送予定の直前の10/31に、ハリトラ2の一部を改良したパッケージHaritoraX2Pro(以下ハリトラX2pro)を突然発表/発売した。同社は、HaritoraX2に対し、2025年秋に光学方式が利用できる追加ユニットの発売予定を告知しているが、10/31時点で発売日までは発表されていない。
ハリトラ2販売以降は、有線タイプのハリトラ及びハリトラワイヤレスは販売中止になったので、公式としては、ハリトラ及びハリトラワイヤレスの後継機となる。ハリトラX2proは、実質ハリトラ2の膝部分をハリトラワイヤレスと同じ従来の取付方法に戻し、LiDARも廃止した。それに加え、足部と専用ドングルを追加したものが今回のものとなる
価格
専用の公式サイトでの販売のみ。HaritoraX2は、39999円から。HaritoraX2Proは、53,899円(税込)
11月上旬つまり最短明日発送の可能性があるOpsens+は、光学(QR)併用式で54780円のため、それを意識した価格設定になっていると推察される
公式
HaritoraX2 https://ja.shiftall.net/products/haritorax2
HaritoraX2Pro https://ja.shiftall.net/products/haritorax2pro
構成
HaritoraX2
専用センサーなどが搭載
| センサー | 6個 |
| 取り付け用ベルト | 6本 |
| 膝用ストラップ | 2本 |
| 充電用USBケーブル(HaritoraX ワイヤレスおよびHaritoraX 2専用) | 1本 |
| LiDARセンサー角度調節スペーサー | 2個 |
| 安全上のご注意 / 保証書 | 1枚 |
HaritoraX2Pro
センサーがすべて共通となり、Lidarが廃止
| 製品名 | 内容物 | |
| センサー(センサーユニット SVP-AF01UB) x 8 箱 | センサー本体 | 1個 |
| センサー名称ラベル | 2枚 | |
| 安全上のご注意 / 保証書 | 1部 | |
| 専用ベルト x 1セット | 胸ベルト・腰ベルト(共用) | 2個 |
| 膝用ベルト | 2個 | |
| 足首用ベルト | 2個 | |
| 固定用ストラップ | 2個 | |
| 足用ベルト x 1セット | 足用ベルト | 2個 |
| 足用ストラップ | 2個 | |
| 両面ファスナー | 4個 | |
| GX2 ドングル x 1セット | GX2 ドングル | 1個 |
| USB Type-A延長ケーブル (1m) | 1本 | |
| 安全上のご注意/保証書 | 1枚 | |
| 充電用USBケーブル | 充電用USBケーブル(6個用) | 1本 |
| 充電用USBケーブル(2個用) | 1本 | |
| HaritoraX 2 Pro 製品案内カード x 1枚 | ||
HaritoraX2からHaritoraX2Proへの主な変更点は
・センサ共通化
・上記に伴いひざ部分のLidar廃止 。ひざ付近の専用センサも、従来ハリトラワイヤレスに戻す形に
・GX2ドングル+足センサー付属
である。
機能と違い
HaritoraX2
39999円が標準構成。両肘を除いた9点トラッキングまで可能。取付個所は6点(胸、腰、太もも、ひざ下)。以降、専用ドングルやひじ、足ユニット等の購入で追加費用が増える。当サイトでは、つながりやすさ等の観点から専用ドングルのGX6の購入を推奨。取付個所は最大10点まで増やせる。
HaritoraX2pro
標準構成で9点トラッキングが可能。(VRC上)。取付個所を8点(胸、腰、太もも、足首、足)にし、足の動きの再現性を向上しているとうたう。GX2ドングルも付属。HaritoraX2の膝専用部分を廃止。従来のハリトラワイヤレスのように、両膝、両足に分離した形態に戻したことで、膝立ちなどが可能な構造に。
従来まで各トラッカーごとに専用構造や表示だったが、今回センサ部分は、すべて共通に(ベルトが異なるので、詳細は後述のHaritoraX2→Proに変更する方法を参照)。駆動時間も従来と同じ80時間に統一した(前回はひざ部分が特殊だったため、その時間分実際のところ、短かった)
他とのコスト比較
以下記事参照
デバイスの方式
9軸IMU方式。IMU方式VRChatでのフルトラやそもそもフルトラって何?って人は下記記事参照
HaritoraX2と旧機種ハリトラワイヤレスとの比較
違いや特徴
・稼働時間が50時間
・ひざとすねのトラッカー取り付けが、無線から有線でつながった一体式に変更
・Bluetooth接続数も6個から4個と大幅に変更
・動きも滑らか、1時間いてもずれないとのこと(メーカーより)
・光学方式を併用できるようになる追加デバイスも今秋に発売予定。(メーカーより)
が特徴とメーカー公式見解ではそうなっています。しかし、当サイトの検証だと
・駆動時間:20時間 → 最大80時間:【トライ結果】とはいっても実際は50時間位で膝部分は短い
・センサー:ToF → LiDAR搭載で足首動作を高精度化:【トライ結果】Vive等では普通なので
そもそも魅力をあまり感じない
・安定性:ドリフト低減、キャリブレーション頻度を削減:【トライ結果】減ってはいるけど・・・。
・無線通信:Bluetooth干渉を改善:【トライ結果】結局トラブル多いので、専用ドングルでトライ
というようになっており、従来機からの切替ユーザーからは実感できるけど、従来IMU方式だったユーザーのみ大きく感じることができるメリットだと思います。ただし、膝立ちできないトラッカー位置、ShiftallVRManagerはカスタマイズ性はあがったが、使い勝手が悪いといったデメリットも強く出ているため、悪い面のほうが目立っている印象です。本来ならば、完全に旧世代のUnimotionをすべて超えてくるべきデバイスを作るべきだったのですが、悪い面のせいで、すべて超えれなかった印象です。
また、ViveTrackerやUltimateトラッカーユーザーからすると新型にするほど大きな変化でもなく、切り替えを検討するなら、VR睡眠、駆動時間と価格位しかメリットを感じません。近年は、PICOMotionTrackerもあるので、もはやPICOユーザーが選ぶ場合は、非対応機か、動きの再現性をさらに高めたい、とても激しく動きたい、VR睡眠したいなどの長時間動作くらいしかないと思います。他のHMDユーザーでも、キャリブレーションの頻度や設定の面倒さに耐え、VR睡眠したいユーザーが主な対象となっています。競合が増えたことと悪い面により、従来のHaritoraXワイヤレスのように一様にお勧めできない状態となっています。
共通点
GX6やGX2のようなハリトラワイヤレスでも使える専用ドングルをはじめ、一部ハリトラワイヤレスの機材を流用可能。
動きの再現性について
旧機種のハリトラワイヤレスと比較すると、確実にズレやドリフトによるトラブルが少なくなっている。ただ、足用のアタッチメントが、付属しておらず、後日発送の対応となったことから、(2月末発送の3月2日ごろ到着)のため、最初の1回目の検証は、アタッチメントなしでの検証となっている。
なお、膝下(弁慶の泣き所あたり)につけるため、他のフルトラデバイスと比べて膝立ちなどの動きが出来ない問題がある。(なお、膝部分を横に取り付けて対応できるが、その動きのためだけに、取付位置変えてキャリブレーションする面倒さから、当サイトでは、できないとカウントしている)第一回目の検証は以下URLです。
https://vrchat-fbt.com/haritorax2_try/
ハリトラ2には、キャリブレーションの種類が2種類ある。上記は、モード2でトライしたもの。もう1つが、キャリブレーションには時間がかかるが、ドリフトなどが少なくなるというモード1である。
第二回目の検証では、モード2及びアタッチメント到着後の詳細なトライを実施し、以下に記載しています。
上記2つを踏まえ、ViveTrackerの光学式フルトラを全て◎のものを基準として、【◎>>〇>△>>>×】で表現すると
設定の手間(キャリブレーション):△
実際の体とのズレ:△
ドリフト等実際動いていない余分な動き:△
追従性:△
立位:〇
膝立ち:×
座位:〇
寝姿勢:△
のような動きの再現性である。
比較に関しては、下記記事参照
こちら
納期について
ハリトラ2問わず、シフトール製品で初出荷、在庫なしの場合は、原則一か月単位で遅れると見込んだ方が良い。今回は、1月発送予定の通り1月末発送されたが、本来デバイスと足との間の取り付けが必要なアタッチメントの到着が、実質3月2日だったので、3Dプリンタを持っていない人にとっては、実質的に一か月遅れている。
1月発送→1月末発送→追加アタッチメントで3月2日となっているので、市販品と比べると納期の概念が異なる点注意。HaritoraX2Proの際は、当日発表&発売開始とすることで、対応している。2025年以降はこのようなスタイルに切り替えて納期遅延の指摘を避けていることから、今後も突然発表&発売開始という方向性になると思われる。
そのほか注意点
HaritoraX2→Proに変更する方法
公式によると、HaritoraX 2 Proは、HaritoraX2と以下が異なっている。HaritoraX2を持っている人は
GX2ドングル(足トラッカー2個接続用)
足トラッカー:HaritoraX 2 足拡張セットと同じ。
すね部のセンサー&ベルト:HaritoraX 2 肘拡張セットと同じ
太もも用センサ:単品のセンサ(HaritoraX 2 センサーユニット)で、ベルトは共用。
を購入すればできると記載。といっても、各センサーは共通のため、ベルト等が異なっているだけの模様。しかし、HP上ではそもそもHaritoraX2の各センサがProだとどこが共通なのか含め、現時点で不明確となっている。
なお、足トラッカーの装着は、必須ではなく、外したいときに外せる。このため、足トラッカーとGX2ドングルは必須ではない。ただし、足の再現性は低下するとのこと。当サイトの検証を踏まえると、足以外のところの接続は、GX6ドングルでの接続がいいと思います。公式では、GX6+GX2+GX2ドングルのような使い方は可能と言っているので、ひじ部分も追加した際は、別途GX2ドングルを導入すれば、GXドングル接続は可能
HaritoraX2Proが10/31に発表された理由について
不評だった部分を改善したマイナーチェンジ品という見方が妥当
あたかも新型のフルトラデバイスを新たに開発したという体裁にみえなくもないが、実態は、センサのIMUを全部分に使えるように共通化してコストを削減し、センサを増やして発売したもので、既存品HaritoraX2と比べて、動きの再現性等に大きな変更はない。というのも、既存のHaritoraX2でも、足につけてトラッキングは可能である。実態は、HaritoraX2で不評だったひざ回りをハリトラワイヤレスと同様に戻し、他社対抗するため、センサ数が増えて安く購入できるようにしたという見方が妥当である。ハリトラワイヤレスの時と比べると、ソフトの変更、センサ性能の向上、装着点数の増加、センサの共通化がポイントである。
Opsens+対抗
11月上旬つまり最短11/1発送の可能性があるユニモーションのOpsens+は、光学(QR)併用式で54780円。それを意識した価格設定や対抗措置という見方が最も妥当。
既存ユーザーにとっては、対応が遅いという見方が妥当
全く個人的な意見になってしまうが、膝立ちができない問題はもっと早く解決できそうなレベルの問題なので、ここまで焦らすよりもさっさと改良したほうがよかったのではないか?という疑問が出てくる。どうして専用センサにそもそもした???というのが、ハリトラワイヤレスの既存ユーザーの人には疑問しかなかっただろう。(Bluetooth接続の改善のためにしたと推察)
逆に、有線タイプのハリトラユーザーからしてみれば、せっかくハリトラX2に追加で足も買ったのにという意見と、追加の足ユニット導入前のハリトラX2の動きに満足できないからライトハウス方式へという人も多く、前回の事業買収の件を含め、ユーザーのイメージ戦略的な観点から見ても、よくないと思われる。
SlimeVR対応
公式としては、既存品含め、SlimeVR対応していない点に要注意。有志のソフトウェア等があるが、それを使用したのちの修理対応などは不明。
なお、ソニーやユニモーション等は、SlimeVRでの動作自体の保証はないが、SlimeVRへ信号を送るソフトウェアは提供している。シフトール製品はSlimeVRへ信号を送るソフト自体提供していない。当サイトとしても、容認していないソフトの紹介は控えている
