ContactTrackは、2024年12月21日にDiver-X 新製品発表会で発表された現在予約開始中の光学(カメラで赤外線LEDを認識する)方式とIMU方式を併用したトラッキングデバイスです。フルトラデバイスではなく、トラッキングデバイスと言っているのは、Diver-X社としては、フルトラだけに使うのはもったいないと発言しているため、あえてフルトラデバイスというのを避けています。今回のトラッキングデバイスの特徴をまとめてみました。
ContactTrackとは?(VRC大交流会で発表した内容について)
ContactTrackは、各トラッカーとPCを接続するための専用のカメラ2台とトラッカー2台を使うことでトラッキングを実現しているトラッキングデバイスです。
[特徴1] 位置精度±3mm・回転精度±2°でトラッキング可能なデバイス
光学式が有効な場合の位置精度はなんと±3mm・回転精度±2°でトラッキング可能とのことです
PVの様子はこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000079431.html
以下、特徴を記載します
[特徴2]USB2.0接続のドングル内臓専用カメラで光学トラッキングをする
専用のカメラユニットは、USB2.0接続で、赤外線LEDを発光するトラッカーとPCを接続するためのドングルも内臓している特殊仕様のカメラです。カメラは、カメラ用のインチねじがあるため、雲台やベースステーション用のものを流用可能。トラッカーも同様で、Viveトラッカーのトラッカーベルト等は流用可能です。
[特徴3]専用カメラ1台につきトラッカー2個と接続可能&ライトハウス方式と共存可能
専用カメラ1台につき、トラッカー2個と接続が可能です。また、赤外線レーザーを使用しているライトハウス方式と恭三ん可能としています
[特徴4]稼働時間:光学・IMUモード:20時間
光学方式とIMU方式を併用すると20時間作動します。
[特徴5]オートキャリブレーション&各社HMDと相互利用可能
従来HMDベースのトラッキングだったものを、別ソフトを入れることなく、他の既存のHMDを活かした状態で利用可能です。(従来ライトハウス方式のフルトラデバイスだと、VIVEトラッカーをHMD付近に着けて自動キャリブレーションするなどのアクションが必要だった)
[特徴6]水平視野角約110度 垂直視野角約90度で推奨範囲は3m
カメラ一台につき110度、垂直視野角90度で約3mの位置までトラッキングが可能。
[特徴7]絶対座標位置がわかるだけでなく、回転情報も追加
IMU方式も併用しており、地面からの距離もわかるため、短時間であれば姿勢復元を保つことができるとのこと
[特徴8]多様な形状・機能のトラッカーを提供可能、ContactTrack HDKを提供予定
赤外線LEDを搭載したデバイスを開発・提供することで、3次元上に復元することができる。現時点では、開発したContactClipというデバイスを提供予定。また、ContactTrackChipをお客さんやパートナーに提供することで、安価かつスピーディーにできる
価格: 固定台ありで¥59,800 固定台なしで¥54,980
価格は2パターン。トラッカー、カメラの単体の発売も開始
既に予約販売を開始しています。
ContactTrack スターターキット(ストラップ/固定台あり)
ContactTrack スターターキット(ストラップ/固定台なし)
当サイトでは固定台ありを購入しました。引き続きトライを実施したいと思います
発表会の質問で聞かれたこと
【質問1】PC処理能力がカメラ式フルトラと比較して低い
発表会時点の公式の回答によると、カメラ4台に対して最大8台 Ryzen95000番台、RTX2000番台でCPU使用率は15%程度で処理できるとのこと。
【質問2】USB3.0形式ではない理由
LAN形式やUSB3.0形式ではない理由としては、相性問題があるから
【質問3】身長と体型の対応はどうか?
身長と体型は特に縛りはないとのこと(通常のIMU方式だと身長等を入力する必要がある)
【質問4】重量は50g
50gとのこと。
【質問5】ハンドトラッキングは非対応
ハンドトラッキングは現在非対応。
販売・公式ストア
直販のみ購入可能。既に予約販売を開始しています。
ContactTrack スターターキット(ストラップ/固定台あり)
ContactTrack スターターキット(ストラップ/固定台なし)
スペック
バッテリー容量: 500mAh
連続稼働時間: 約20時間(光学モード)約60時間(IMU+高度モード)
充電時間: 約2時間(電源OFF時)
充電方法: USB Type-C端子オブジェクトトラッキングモード :1台のカメラで最大約3mの範囲でトラッキング。光学トラッキングモード成立時、位置精度±3mm・回転精度±2°でトラッキング可能。
フルボディトラッキングモード:最低2点(+スペースキャリブレーションユニット)で全身のトラッキングが可能。※VRゴーグル装着時
最大接続台数:1カメラに対して最大2個のトラッカー、1台のPCに対して最大4台のカメラ※最大接続台数は今後増加する可能性あり。
無線通信:2.4GHz帯を利用した独自通信(ドングルはカメラに内蔵)
※独立版のドングルも開発中。
対応VRヘッドセット: SteamVR対応ヘッドセット各種 ※全てのヘッドセットでの動作を保証するものではありません。
対応アプリケーション:VRChat、Resonite、VirtualMotionCapture、その他SteamVRアプリケーション ※全てのSteamVRアプリケーションでの動作を保証するものではありません。
個人的に今感じている疑問
値段の割に、いい感じに動いてくれるのではという期待もある一方下記の疑問点を今持っています。
ただ、購入段階で徐々にわかってくると思います。
・発表内容がちぐはぐ。toC向けなのに、SDKやオープンソースの話はめっちゃする。肝心のデバイスの大きさや重量の発表が質問がないと言わないのは、なんかおかしいと思う。身に着けるものなので、外寸ももっと欲しい。
・フルトラするときにトラッカーは何個必要なのか?最低2個とあるが、腰の追従は、本当にフルトラと呼べるものなのか?
・結局、光学式が使えない場合、身長の情報を入力する必要があるのではないか?
・実際フルトラする前の準備やキャリブレーションの様子がさっぱりわからず、どれ位時間や手間がかかるのか全く分からない。
・耐久性や強度が不明。現状トラッカーが大きいので、ぶつけて破損しやすいのではないか?
・VR睡眠用の赤外線ライトの干渉
・通常のカメラとして使えてしまうのか?(カメラの方式がいまいちわからない。赤外線を照射するのか?照射される場合、想定外の衣服の透過等が怖い)・光学式といっても、カメラで赤外線LEDを認識するタイプと思われるので、カメラの画角を考えると効果を最大限に発揮するには、結局、広い部屋が必要ではないのか?カメラの歪みで中心位置から離れると精度が落ちるのではないか?
・固定台の高さを考えると、カメラは体の中央ぐらいの高さになるように調整するのがベストなのか?ベースステーションと同じような高い位置の配置の場合、どうなるのか?
・モノクロのカメラ4台がUSB2.0 を通じて画像処理することを考えると、FPSがライトハウス方式よりもどうしても出ないのではないか?
・USB2.0の伝送速度をモノクロ画像で伝送するとどうしてもライトハウス方式よりは劣るのではないか?そもそもカメラ側で画像を処理をしているのか?USBの相性を問題に挙げているが、コスト的な面も大きいのではないか?
・カメラ2~4台をそれぞれ違う長さのUSBケーブルで使用した場合、遅延が発生したりすると思うが、どのように対処するのか?
・トラッカー50g程度なら、VIVEトラッカー3.0やツンドラトラッカーの方が横の長さ的にかさばらないのでいいのではないか?(寸法を教えてほしい)
・カメラ側が給電不足にならないために、どういったUSBケーブルで、HUB接続をPC側はすべきか?推奨条件をある程度書いた方がいいのではないか?
・カメラに直接、太陽光が当たるとそもそも白トビで認識しないのではないか?
・トラッキングする際、身長が高いと処理能力がおち、身長が低いと処理能力が上がるといったことはないか?(通常のカメラ方式のフルトラの場合、身長が大きいと大きいマスを切り抜いて画像解析する必要があるため、画素数が上がって、負荷が増す。今回のデバイスは赤外線を認識するカメラ方式のため、と思われるため)
・フルトラフルトラ言っているけど、スターターキットはトラッカーが2台しかない。トラッカーが腰につけないのに、腰のトラッキングどうしているのか?PVでもあんまり腰を動かしていない。動きの再現性が高いのか?
・PICOMotionTrackerのように、スターターキッドでは、結局、腰周辺の精度が高くできず、あまり追従しないのではないか?絶対座標系ならなおさらなのではないか?
・鏡や白い材質のものなど、赤外線の反射が強い周辺環境だと、光源が複数発生して、トラッキングが飛ぶ問題が発生するのではないか?
・ゲーム配信などの際に使われることを想定して、Wiiリモコンや赤外線リモコンなどのゲーム用の赤外線発光デバイスとの干渉はないのか?
現状、疑問点も多いため、順次編集していく予定です。
以上です。