- トラッカーを身につけないフルトラ。マーカーレス全身トラッキング「Soulart Station」がKickstarterに登場
- 公式HP
- Kickstarterならではの投資リスクと公式からの情報のみという点に要注意
- クラファン品は、ここに書いてあることは、全てうそと思う気持ちと覚悟で購入してください。
- ToFで人間を3D点群として捉える
- NPUを内蔵し、ステーション内部でAI処理
- ストラップも充電も不要。設置してWi-Fiにつなぐだけ
- 座る、寝る、物を操作する動作にも対応
- 複数のSoulart Stationを同時使用できる
- 最大8台でモーションキャプチャ環境へ
- SteamVRだけではなくVMC・OSC・BVHにも対応
- WindowsやMeta Questなどクロスプラットフォームを想定
- 将来的には顔と手もトラッキング
- Soulart Appとプラグインはオープンソース化予定
- すでに200台以上のベータユニットを生産
- Kickstarterの資金は量産準備へ
- 1年間の限定保証を提供
- 本当に「何も付けないフルトラ」は実現するのか
- 展示会はちょくちょく実施
- 購入する際は、上記に書かれたことが全てうそだと思うくらいの気持ちで、購入することをお勧めします
- Singularisと何が違うのか?(ヒロの認識)
- ①デュアルカメラタイプ
- ②デュアルセンサータイプ
- ③ミリ波レーダー+単眼カメラタイプ
- 試作ステージで発生している課題と量産で発生する課題は違う
トラッカーを身につけないフルトラ。マーカーレス全身トラッキング「Soulart Station」がKickstarterに登場
VRChatで全身を動かすフルボディトラッキング、いわゆる「フルトラ」は、これまで身体に複数のトラッカーを装着する方法が一般的でした。腰や足にトラッカーを固定し、必要に応じて胸や肘にも追加する。遊び始める前にはストラップを装着し、トラッカーの電源を入れ、位置を確認し、キャリブレーションを行う必要があります。さらに長期間使用していれば、充電やバッテリー劣化、ストラップのズレ、トラッカーそのものの破損なども避けられません。
そんな「身体にトラッカーを装着する」というフルトラの前提そのものを変えようとしているのが、マーカーレス全身トラッキングシステム「Soulart Station」だ。体に何も装着せず、部屋に設置したステーションから人間を3Dスキャンすることで全身の動きを取得する方法でフルトラを目指している。
公式HP
Kickstarterならではの投資リスクと公式からの情報のみという点に要注意
クラウドファンディング品は、量産化した一般販売されている完成品ではない。Kickstarterを通じたクラウドファンディング製品は、量産品ではないため、量産や配送にはリスクがあります。また、以下の情報は公式に基づく情報で、事実かどうかは不明だ。
射出成形用金型の調整、各国の無線認証、電子部品の供給状況などがリスクで、特に金型については、必要な寸法精度や仕上げ品質を確保するために修正が発生し、予定以上の時間が必要になる可能性があります。無線認証では、試験結果によっては設計変更や追加試験、メモリについても、市場環境によって供給不足やリードタイムの長期化が課題です。代替サプライヤーや代替部品も検討しながらリスクを抑える方針ですが、支援する場合は一般的な市販製品を購入する場合とは異なる点は要注意。
クラファン品は、ここに書いてあることは、全てうそと思う気持ちと覚悟で購入してください。
ToFで人間を3D点群として捉える
ToF(Time-of-Flight)で点群データを取得する方法です。ToFは照射した光が物体に反射して戻ってくるまでの時間を測定し、対象物までの距離を求める技術だ。毎秒120回のスキャンを実施するとのこと。1回のスキャンではミリメートル単位で約30万点の点群データを取得するとのことで、公称では点群誤差を1%未満に抑えながら120Hzで取得できるとしており、この高速な3D情報を利用して人間の姿勢を推定している。
4K RGBセンサーとNIR(近赤外線)センサーも搭載。ToFによる奥行き情報だけではなく視覚情報も組み合わせることで、トラッキング品質を高める設計とのこと。
NPUを内蔵し、ステーション内部でAI処理
本品の特長として、トラッキング処理をステーション内部で完結させている点だ。高精度なマーカーレスモーションキャプチャでは、カメラから取得した映像をGPU搭載PCやクラウドへ送り、AIモデルで姿勢推定する方式がありますが、本品は異なり、ステーション本体にデュアルコアNPUを搭載し、独自の機械学習モデルとランタイムを利用し、取得した点群から人間の姿勢をデバイス上で推定する仕組みとなっている。点群データから23関節の6DoFモーションデータへ変換する際の機械学習レイテンシは10ms未満とのこと。
PC側に送信されるのは基本的に処理後のモーションデータで、PC側で大量のセンサーデータを処理する必要がない。VRChatを動かしているPCのGPUへ追加の大きな負荷を与えにくいという点は、PCVRユーザーにとって非常に興味深い部分だ。他にも、生のセンサーデータを外部のクラウドへ送信する必要がないため、プライバシー面でもメリットがある。
ストラップも充電も不要。設置してWi-Fiにつなぐだけ
Soulart Stationが目指しているユーザー体験は非常にシンプルだ。ステーションを部屋に設置してWi-Fiへ接続すれば、基本的な準備は完了。従来の身体装着型トラッカーで必要だった、
- トラッカー用ストラップの装着
- 複数トラッカーの充電
- USBドングルの管理
- 充電ドックやケーブルの管理
- 使用するたびの位置調整
- バッテリー劣化への対応
- 身体に装着したトラッカーの衝突や破損への対策
といった作業がないとされている。ヘッドセットを装着してVRゲームや対応ソフトウェアを起動すれば、自動的にトラッキングが開始される設計だ。
座る、寝る、物を操作する動作にも対応
マーカーレス方式で気になるのが、立っている状態以外をどこまで認識できるかだ。立った状態だけではなく、座っている状態や横になっている状態、さらに物体を操作している状態でも身体を追跡できるとしている。
複数のSoulart Stationを同時使用できる
光学式トラッキングでは避けて通れない問題が身体の一部が家具や自分自身の身体によって隠れてしまえば、センサーから見えなくなってしまう問題だ。そこで、一台だけでなく、複数方向から身体を見ることが重要になる。ところがToFセンサーを複数台使用すると、別々のセンサーが照射した光が干渉してしまう問題があり、め「ToF干渉除去技術」を搭載して対応。複数のStationを組み合わせることで、死角を減らしながらトラッキング精度と安定性を高め、さらにトラッキング可能なエリアを拡大できるとしている。
Lighthouse方式でBase Stationを複数配置する考え方に近い部分がありますが、Soulart Stationの場合は各ステーションそのものが人体を3Dスキャンしている点が大きく異なります。
最大8台でモーションキャプチャ環境へ
Soulart StationはVR向けフルトラだけを想定した製品ではなく、ステーションの台数を増やすことで、本格的なモーションキャプチャシステムとして使用することも想定されている。開発チームによる8ステーション構成のテストでは、ワールド座標系における最大位置誤差を8mm未満に抑え、最大200FPSの処理性能を達成したとしている。
SteamVRだけではなくVMC・OSC・BVHにも対応
Soulart Stationは専用アプリ「Soulart App」から管理します。Station側でモーション処理を完結させるため、特定のVRプラットフォームだけに依存しない設計となっています。リアルタイムモーションストリーミングではSteamVR、VMC、OSC、BVHストリーミングなどに対応。サードパーティアプリとの連携では、VTube Studio、Warudo、VBridger、Unreal Engine、Unity、Blender、ROS2、MotionBuilder、Mayaなどへの対応が挙げられています。モーションキャプチャデータについてはBVHとFBXでのエクスポートにも対応します。これらの機能について追加購入やサブスクリプション料金は必要ないとしている。VRChat用のフルトラだけではなく、VTuber、3DCGアニメーション、ゲーム制作、研究用途などまで視野に入れていることが分かります。
WindowsやMeta Questなどクロスプラットフォームを想定
SoulartではWindowsやMeta Questなど複数プラットフォームでの利用を想定しており、Steam Frameについても直接サポートする予定としている。Soulart Appから複数のStationを管理し、利用するアプリケーションに合わせて適切な形式でモーションデータを出力する仕組みにするとのこと。
将来的には顔と手もトラッキング
ロードマップでは、顔トラッキングを2027年上半期、ハンドトラッキングを2027年下半期に追加する予定としている。しかも、新しいハードウェアを購入するのではなく、既存のSoulart Stationへソフトウェアアップデートとして追加する計画です。身体、手、顔まで同じStationから取得できるようになれば、VRユーザーにとってかなり面白いトラッキング環境になります。さらに足接触検出や複数人トラッキングについても開発が予定されている。
Soulart Appとプラグインはオープンソース化予定
Station本体のファームウェアを除き、Soulart Appとサードパーティプラットフォーム向け統合プラグインをオープンソース化する計画があり、正式なオープンソース版は2027年初頭を予定。Soulart側だけですべてのソフトウェアや連携先を開発するのではなく、開発者コミュニティとともにStationを中心としたエコシステムを構築するとのこと。モーションデータをVMCやOSCなどで外部へ出力できることと合わせて、ユーザー側での拡張性にも期待できます。
すでに200台以上のベータユニットを生産
Soulart Stationは単なるコンセプト段階ではなく、これまでに200台以上のベータ版ユニットを生産しています。また、2026年8月以降は30名以上のEAPテスターが実際の環境でStationを使用しているとしています。開発期間は約2年間。現在のSoulartは、ハードウェアエンジニアリング、コンピュータビジョン、機械学習、リアルタイムソフトウェアなどの経験を持つ7人のチームとなっています。
Kickstarterの資金は量産準備へ
今回のKickstarterは、製品そのものをゼロから研究するためというより、量産へ移行するための資金調達という位置付けだ。調達した資金は主に、アルミニウム・プラスチック部品用金型、各市場における無線認証、重要部品の事前確保などに使用するとしている。量産開始前には無線関連の認証と安全認証を取得する計画で、対象地域として韓国、米国、日本、ヨーロッパが挙げられています。
また、ToFセンサーで赤外線を使用するため、IEC 60825-1に基づく該当するClass 1要件を満たすための試験・認証手続きも行う予定です。製造については韓国を含むアジア地域の製造パートナーを評価中。センサーやPCBでは高い組み立て精度が要求されることから、複数の製造パートナーと協力しながら量産準備を進めています。
1年間の限定保証を提供
Soulart Stationには1年間の限定保証が用意される予定です。
通常使用で発生した不具合については保証対象となる一方、誤用、不適切な取り扱い、無許可での分解や改造などによる損傷は保証対象外となります。
発売後もソフトウェアアップデートとサポートを継続するとしています。
本当に「何も付けないフルトラ」は実現するのか
トラッカーを身体につけないフルトラ」という方向性は、今後のVRトラッキングを考えるうえで非常に面白いです。Lighthouse、IMU、カメラ方式などに続いて、ToFとオンデバイスAIを組み合わせたマーカーレス方式が、一般家庭向けフルトラの新しい選択肢となるのか。Soulart Stationの製品化と、実際のVRChat環境でどこまでのトラッキング性能を発揮できるのか、今後の展開に注目だ。
展示会はちょくちょく実施
購入する際は、上記に書かれたことが全てうそだと思うくらいの気持ちで、購入することをお勧めします
展示会はちょくちょく実施しているが、某販売しなかったフルトラデバイスも同様に展示会などはやっており、展示会をやっているから、期待値通り発売されるわけではないという点は注意。
モデルルーム展示と同じ感覚を以って、購入を検討することをお勧めする
Singularisと何が違うのか?(ヒロの認識)
クラファン品とクラファン品を比べるのは、ナンセンスだと思いますが、基本方式が違う点に注意。
同じようなものだという人がいるが、何が同じやねんというのが自分の認識
| 項目 | Soulart Station | Singularis |
|---|---|---|
| 基本方式 | ToFによる3D点群+RGB/NIR+AI | 高速カメラを中心とした光学トラッキング+AI |
| 身体へのトラッカー | 不要 | 不要 |
| 3D取得 | 約30万点の点群を直接取得 | 高速カメラによる光学認識 |
| 公称更新速度 | 最大120Hz | 120fps級を掲げる |
| 本体側演算 | 各StationにNPUを搭載 | Base StationにGPU+CPUを搭載 |
| 補助ユニット | Stationを追加 | Base Station+Satellite |
| Satelliteの演算 | ― | Satellite自体には演算機能なし |
| PC側AI処理 | 原則不要 | 原則不要 |
| SteamVR | ○ | ○ |
| Quest等 | Windows、Meta Quest、Android XRなどを想定 | 基本的にSteamVR中心 |
| 手 | 2027年後半予定 | 対応を掲げる |
| 顔 | 2027年上半期予定 | 部分的な顔トラッキングを掲げる |
| モーキャプ用途 | 強く意識。BVH/FBX/VMC/OSC等 | VR FBTを強く意識 |
| 多台数 | 2~4台から数十台まで想定 | Base Station+Satellite構成 |
| オープン化 | App・統合プラグインをOSS化予定 | Open APIを掲げる |
特に大きいのが、「点群データによる取得をするかどうか」である。一見、点群データ取得は、動きの再現性を高めるうえで重要のように見えるが、複数角度でやる必要があったり、死角がノイズになりやすい。また、カメラの視野角の大きさなども重要になってくる。この二つを見ると、Station側で処理することぐらいしか、実は共通点がなさそうだ。
自動車で例えると、ステレオカメラによる取得とLidar+カメラによる取得にちかい。
https://www.suzuki.co.jp/car/safety_system/case01/01/index3.html
比較対象としてわかりやすいのが、スズキのもので車種や年式によって、複数のセンサーシステムを使い分けている。移行の仕方としては、①→②→③だ。
①デュアルカメラタイプ
「ハスラー」「スペーシア」「ソリオ」などに多く採用されています。2つのカメラで対象物を立体的に捉えるステレオカメラ方式です。左右のカメラの同期が非常に重要となる。
②デュアルセンサータイプ
「単眼カメラ」と「レーザーレーダー」を組み合わせたシステム。遠くを見るカメラと、近距離に強いレーザーの「いいとこ取り」をしていますが、現在はより高性能なミリ波レーダー方式への移行が進んでいます。
③ミリ波レーダー+単眼カメラタイプ
新型「スイフト」や「エスクード」などに採用されている最新システムで、より遠くの、より速い対象物を検知できる。高速道路でのアダプティブクルーズコントロール(ACC)の精度が大幅に向上しています。
こう考えると、Singularisが①であり、Soulart Stationは②か③であることがわかる。①は、同期だけでなく、視野角の問題もある。二つのカメラのオーバーラップの域でないと、正確な距離を推定や測定できず、動作しない。動作範囲が狭いのである。ちなみに、自動車のカメラで話しているのは、あくまで「物体認識」レベルの話で、「姿勢推定」の話ではない点も注意だ。
①だから劣っているというわけではなく、①の遅延処理を技術的に克服するには、かなり大変で、それが実際できているかが課題である。②③も課題はあり、レーダーの干渉や安全性、重複の除去などが課題だ。つまり両者は、課題が違う。ここで言いたいのは、同じように見えても、実は①と②③位、この二つは仕組みが違いますよってことである。
試作ステージで発生している課題と量産で発生する課題は違う
ただ、個人的な印象だが、Singularisは、試作ステージで発生する課題を克服できたことを証明できていないように思える。カメラ1台ならまだしも、カメラ2台でやっている映像が見えないからだ。対して、Soulart Stationはそのあたりはクリアしているように思える。
そう考えると、出資してもよいかなということで、Soulart Stationについては出資した。Singularisは、カメラ1台だったら、まだ考えたかもしれない。2台以上で撮影して、どうやってグローバルシャッターの有無問わず、遅延なく同期をとって、環境によって変わるカメラの撮影位置を確定しつつ、正確な位置を推定するんだろうという疑念がずっと残っていたのが出資をしない理由だった。
以上の理由で、出資するものとしなかったものを説明したが、何度も言うが、普通の買い物ではなく、全て虚偽の説明でも納得がいっているという点で、出資はすべきであり、完全に自己責任である。個人的には、実績のあるViveTracker3.0をお勧めしたい。
以上です
