VIVE Ultimate Tracker徹底解説 〜VRChatからモーションキャプチャまで、次世代FBTのすべて〜

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第1章 はじめに 〜Ultimate Trackerが登場した意味〜

「フルボディトラッキング(FBT)」って、VRChatをやっている人にとっては特別な響きがあると思うんですよね。腰から足先まで動きがリンクするだけで、自分のアバターが“生きてる”ように感じられる。ダンスも自然になるし、ちょっとした歩き方や座り方のクセまで表現できる。だからこそ、FBTはVRChatカルチャーの中でも「憧れの一歩」みたいに語られてきました。

でも現実には、従来のVIVE Trackerってベースステーションが必要で、設置のハードルが高かったんです。壁に設置して角度を合わせて、電源を取って…って、部屋の環境次第ではそもそも導入が難しいこともありました。僕自身もフレンドに「やってみたいけど設置が無理だから諦めてる」っていう声を何度も聞いてます。

そんな中で登場したのが VIVE Ultimate Tracker。これはもう、VRChat界隈にとっては「事件」と言ってもいいくらい大きなニュースでした。
なにせこのトラッカー、ベースステーション不要で、無線接続で使えるんです。今までの「設置の壁」を一気に飛び越えた存在。

しかも、動きの再現性や安定性が気になる人向けに「どこまで従来のベースステーション方式に迫れるのか?」という比較も当然話題になりました。実際に使ってみると、従来のトラッカーより若干クセはあるけど、“設置不要でここまでできるなら十分” というのが率直な感想です。

さらに、VRChat用途にとどまらず、スタジオやVTuber配信、モーションキャプチャの現場でも「とりあえず置くだけで使えるトラッカー」というのは革命的。これまで大掛かりな環境を整えなければならなかった場所に、ポンと導入できちゃうわけです。

この記事では、そんなUltimate Trackerについて、

  • VRChatでの使い勝手

  • 他のトラッカーとの比較

  • セットアップの流れ

  • 弱点や注意点

  • そしてVRChat以外の活用方法

こういった内容を、実際に使った体験を交えながらじっくり紹介していきたいと思います。
FBTを始めたい人も、今の環境をアップデートしたい人も、あるいは映像や研究用途でトラッカーを探している人も、この記事を読めば「Ultimate Trackerって結局どうなの?」という疑問が解けるはずです。

第2章 VIVE Ultimate Trackerの概要

まずは基本情報からおさらいしておきましょう。
VIVE Ultimate Tracker はHTC VIVEが2023年末から順次リリースした新世代のトラッカーで、「ベースステーション不要」「カメラレスで使える無線トラッカー」というのが最大の特徴です。

外観は、従来のVIVE Tracker 3.0よりもひとまわり小ぶりで、四角っぽい形状。上面には装着用のねじ穴(1/4インチ規格)があって、従来どおり撮影機材用のマウントやベルトアタッチメントに取り付けできます。

接続方式はこれまでと大きく違っていて、専用ドングルをPCに差し込むだけでペアリング可能。これによって、ベースステーションを設置せずに、直接PCとの設定でできるようになりました。つまり、これまでは「ベースステーション の設置→ HMD → SteamVR → PC」という物理的条件があったのですが、「トラッカー → ドングル → SteamVR→PC」というシンプルな流れになりました。VRChatにおいてはかなりこれだけでも初心者にはかなりハードルが下がったと感じると思います。なお、VIVE単機接続も可能ですが、

バッテリー駆動時間は公称で 約7時間。実際にVRChatで遊んでみても6〜7時間くらいは持つので、長時間のセッションでも問題なし。Type-Cでの充電に対応していて、スマホ充電器やモバイルバッテリーから給電もできます。従来のトラッカーはバッテリー切れが早く、モバイルバッテリーを腰にぶら下げて給電しながら遊んでる人も多かったですが、Ultimate Trackerはその必要がぐっと減りました。

重量は約100g台後半で、旧型トラッカーよりやや軽く感じます。装着して走ったり跳ねたりしてもズレにくく、ベルト部分も改良されていて肌に当たっても不快感が少ない。僕自身は「腰」「両足」で計6個つけてます。

総じて言えるのは、“誰でも設置なしで始められるFBT”を実現するためのデザイン になっているということ。従来の「トラッカーを買ったけど、ベースステーションを設置できなくて積んでる…」という悲劇を減らしてくれる救世主的存在です。

第3章 従来型VIVEトラッカーとの違い

VIVE Ultimate Trackerを語るうえで避けて通れないのが、やっぱり従来型トラッカーとの比較です。僕自身、長年「VIVE Tracker 2.0/3.0」を使ってきたので、その差を体感ベースでお伝えできます。

まず一番大きいのは ベースステーション不要 という点。従来型はSteamVRのベースステーションを2台(できれば4台)部屋の四隅に設置して、赤外線レーザーを飛ばして位置を測定していました。これが正確さでは最強なんだけど、物理的に設置できない環境も多い。天井が高いとか、賃貸で壁に穴を開けられないとか、そもそも部屋が狭すぎるとかね。Ultimate Trackerはその制約を一気に取り払ったので、「FBTをやりたいけど環境が整わなくて諦めていた層」にとっては革命的でした。

次に シンプルさ。従来のVIVE TrackerはUSBドングル+ベースステーション+HMDという複雑な組み合わせで、SteamVRを経由して初めて認識されるという流れでした。Ultimate Trackerは専用ドングルをPCに挿すだけで直接通信できるので、セットアップが本当に楽。僕のフレンドも「初めてでも10分で動いた!」と言っていたくらい。

サイズと重量も違います。VIVE Trackerは丸っこい形状で少しゴツさがありましたが、Ultimateは四角いコンパクト設計。ベルトやマウントに収まりやすく、動いたときの振られ感も少ないです。軽さ=ズレにくさにもつながっていて、特に足首やひざに装着したときに違いを感じます。

ただし、環境面では注意点もあります。VIVE Trackerはベースステーションによる外部参照だから安定感抜群。一方、Ultimateは「自己位置推定(SLAM)」をベースにしているため、環境問題が発生しやすいです。通常のVRChatプレイでは十分実用範囲なんですが、ミリ単位の正確さを求めるダンスや撮影、カメラが隠れてしまう動きだと「やっぱりVivetrackerの方が上で安定感がある」と感じる人もいます。当然ながら布団をかぶってVR睡眠はできません。

また、無線方式ゆえに 干渉リスク があるのも事実。同じ部屋で複数人がUltimate Trackerを使うと認識落ちが発生することがあります。逆にVIVE Trackerはベースステーションさえしっかり立てれば複数人同時でも安定でした。

詳細は下記記載

まとめると、

  • ViveTrackerは“プロ向け・動きの再現性重視”

  • Ultimateは“設置不要・誰でも始めやすい・一人向け”

こういう住み分けになってきているのかな、という印象です。

第4章 実際のセットアップ方法

さて、ここからは実際に「VIVE Ultimate Trackerをどうやって使い始めるのか?」という話をしていきます。旧型と違ってベースステーションが不要になった分、セットアップはだいぶ楽になりました。とはいえ、いくつかハマりどころもあるので順を追って説明しますね。

必要な機材

  • VIVE Ultimate Tracker本体(最低3個、理想は5〜7個)

  • 専用USBドングル(1つで最大5台まで接続可能)

  • 装着用ストラップやベルト(腰・足首・胸・ひざ用など)

  • PC(Windows、SteamVRが動作する環境)

  • VRChatを遊ぶためのSteamVRヘッドセット(Quest系やIndexなど)

VIVE Trackerと違って「ベースステーションを部屋の隅に立てる」必要がないのと、VIVE Trackerでは、ライトハウス方式のHMD以外は非公式対応なので、この時点で心理的ハードルが半分くらい下がるはず。

初回ペアリング

  1. まずPCに専用ドングルを差し込む。

  2. SteamVRを起動すると、自動的に「新しいトラッカーを検出しました」と表示。

  3. トラッカーの電源を入れ、ペアリングモードにする。

  4. 画面の指示に従って順番に認識させる。

だいたいここまでで10分前後。ViveTracker3.0の「USBドングルを1個ずつ差して管理する」煩わしさがなくなりました。

VRChatでのキャリブレーション

SteamVR上で全トラッカーを認識させたら、いよいよVRChatでのキャリブレーションです。

  • VRChatにログイン → メニューの「Settings」→「Calibrate FBT」を選択。

  • 「Tポーズ」を取る。

  • 成功するとアバターの腰・足・胸などが正しく連動するようになる。

ここでコツがあって、最初にトラッカーを装着する位置を丁寧に調整すること。例えば腰トラッカーはおへその少し下あたりに固定すると自然に動きやすいし、足用は内側に寄せすぎると蹴り動作でクロストラッキングを起こしやすい。最初は多少ズレても「再キャリブレーション」で修正できるので焦らず試すのがポイントです。

実際のプレイ前チェック

  • トラッカーの電池残量を確認(SteamVR上に表示されます)

  • 余計なWi-FiやBluetooth機器をオフにしておくと干渉が減る

  • 3つ以上ある人は、未使用のトラッカーは電源を切っておく

この3つを押さえておきましょう。

初期設定がすんだ後、マッピングによるずれなどがなければ、基本的には使えます。「これなら誰でもフルボディデビューできるわ」と素直に感動した瞬間です。しかし、マッピングやずれが発生し続ければ、正直お勧めできないです。

第5章 使ってみた感想(ヒロ目線)

実際にVIVE Ultimate TrackerをVRChatで使い始めて、まず感じたのは「ここまで楽にフルボディできる時代が来たのか…!」っていう素直な驚きでした。旧型トラッカーに慣れた身としては、初期の設置がなくなったのは、大きいなと思いました。ただ、マッピングのし直しを何度もしないといけないのが欠点です。

長時間使用の安定性

バッテリーは公称7時間だけど、実際に夜のセッションで6時間くらい連続使用しても切れなかった。旧型だと3時間ちょっとでモバイルバッテリー給電必須だったので、この差はめちゃくちゃ大きい。腰回りに余計なケーブルがないから動きやすさも段違いで、特にダンスやアクロバット系の動きをする人にとっては恩恵が大きいと感じます。

遅延やドリフト

気になるのはやっぱり動きの再現性。無線トラッカーって聞くと「遅延あるんじゃない?」と不安になると思うけど、実際のところ遅延はほぼ体感できないレベル。ただし、長時間プレイしていると少しずつ腰や足の位置がズレていくドリフトは確かに起こります。僕の場合、2時間に一度くらいはキャリブレーションし直してました。とはいえ、旧型トラッカーでも位置ズレはあったし、これくらいなら許容範囲かなぁという印象。

床に座る・寝転ぶムーブ

これは個人的に一番感動したポイント。旧型だとベースステーションの死角に入った途端に足がぶっ飛んでいく現象がありましたが、Ultimateではそれが少ないです。僕も添い寝ワールドで横になったとき、アバターがちゃんと「横になる」動きをしてくれたのは嬉しかったですね。

ただし、それは暗闇になったり、陰にならなかったり、

全体の体感

総合的に言うと、Ultimate Trackerは「設置なしでここまで遊べるなら十分!」というデバイス。もちろん、ベースステーション環境下で、プロダンスの激しいレベルや陰になるムーブが発生する場合なら旧型のほうがまだ優位だけど、マッピング環境に問題がなければ、VRChatでフレンドと遊ぶ、踊る、添い寝する、といった日常的な用途なら全然問題なし。むしろ快適さでいえばUltimateの方が勝ってるかもしれません。

使っていて強く思ったのは、これがFBTの「新しい入り口」になるだろうってこと。今までフルボディを諦めてた人たちが「Ultimateならいけそう」と手を伸ばせるようになる。これってVRChatのカルチャーにとって大きな意味を持つんじゃないかな、と思います。

第6章 VRChatでの活用シーン

VIVE Ultimate Trackerの魅力は、単に「フルボディができる」というだけじゃなくて、その快適さが遊びの幅を一気に広げてくれることにあります。ここでは僕が実際に試したり、フレンドがやっているのを見て「Ultimateならではだなぁ」と感じたシーンを紹介します。

ダンスワールドで踊る

VRChatでフルボディといえばやっぱりダンス。特にクラブイベントやダンス専用ワールドでは、トラッカーの動きの再現性がモロに表現力に出ます。長時間踊っていて足がすっ飛ぶことが少ない。動きの激しい、めちゃめちゃ早い動きを正確にしない場合でしたら、お勧めです。

 あと、無線だから体に余計なケーブルが絡まらないのがめちゃくちゃ快適で、ターンやジャンプもスムーズにできる。これは「無線になった恩恵」を一番体感できる場面だと思います。少々重いので、筋トレにもなります。

添い寝ワールドでリラックス

意外と人気なのが「添い寝ワールド」。ViveTrackerだと横になるとトラッカーが死角に入って足や腰がぶっ飛んだり、カクついたりすることが多いです。でもUltimateは、天井でも認識してくれるので、横向きやうつ伏せになってもそこそこ自然に追従してくれる。実際、フレンドと一緒にゴロゴロしながら話してると「おお、ちゃんと横になってるじゃん!」って盛り上がるんですよね。ただ、ベーステ4台になると横になると死角ってことはかなり少なくなるため、ViveTrackerのほうがおすすめです。ちなみに、長時間VR睡眠で一番お勧めなのは、HaritoraX2です

RP(ロールプレイ)の表現力アップ

VRChatはただ話すだけじゃなくて、RP(ロールプレイ)で遊ぶ人も多いですよね。剣を構えたり、椅子に座ったり、地面に膝をついたり…こういう動作が自然に出せるのはFBTの醍醐味。Ultimate Trackerはベースステーションの死角を気にしなくていいから、ワールドのどこに移動しても大丈夫。ViveTrackerだと「そこに行くと足が消えるからダメ」とかあったけど、その縛りがなくなるのは大きな進歩です。まぁ、ベースステーション2台だと死角は結構ありますが、4台だとだいぶ消えます。個人的にはぐるぐる回るタイプの無限歩行のような、ぎりぎりまでスペース使うタイプの動きは、非常にむいていると思います。

お砂糖関係での特別な時間

VRChatの文化のひとつに「お砂糖(甘々な関係)」ってありますよね。Ultimateがあると、ハグしたり手をつないだりする動作がすごく自然になる。特に添い寝や肩を寄せ合って座る時、ベースステーションが少ない環境下だと、雰囲気が壊れることも多かったけど、Ultimateなら安定して動きを保てるので没入感がすごい。

第7章 他のトラッカーとの比較

VIVE Ultimate Trackerが登場したことで、フルボディトラッキングの選択肢は一気に広がりました。ただ、他にも「Uni-motion」や「PICO Motion Tracker」といったライバルが存在していて、ユーザーによっては「どれを買うべき?」と迷う場面も多いと思います。ここでは簡単に比較してみましょう。

Uni-motionとの比較

Uni-motionはIMU(慣性センサー)方式に特化したトラッカーです。利点は価格の安さと軽さ。全身セットでもUltimateよりだいぶ安価に揃えられるのは魅力。ただし、IMU単体ではドリフトが大きく、長時間のプレイだと足の位置がズレやすいのが弱点です。Ultimateは独自の空間認識を組み合わせているため、ドリフトはUni-motionよりはるかに上。価格は高いけど、安定性で選ぶならUltimateに軍配が上がります。今回は、Unimotion中心に記載していますが、ハリトラシリーズや他9軸IMU方式も同様です。

PICO Motion Trackerとの比較

PICO Motion Trackerは、スタンドアロンVR「PICO 4 Ultra」等の対応したHMDと組み合わせることで使える純正トラッカー。こちらもベースステーション不要で、無線で動く点はUltimateに似ています。非常に大きな違いとして、「PICO専用」か「PC VR全般対応」か。トラッカーの設置ポイントは対応範囲がまだ限られていて、PCVRユーザーにとってはUltimateの方が柔軟。逆にPICO 4 Ultraユーザーなら純正の方が、使い勝手が容易で、価格も抑えられるので魅力的です。

価格と取り回し

  • Uni-motion:安価、軽量、でもドリフトが大きい

  • PICO Motion Tracker:PICO環境限定、動きの再現性は若干低めだが、設定は楽

  • Ultimate Tracker:高価、ベースステーション不要で、動きの再現性は抜群だが、暗闇やカメラの死角に弱い

特にVRChatユーザーの場合、環境の自由度と安定性が重要になるので「お金を払ってでもストレスなく遊びたい」ならUltimateが最適解。逆に「まずは試したい」「とにかく安く始めたい」ならUni-motion、「PICO 4 Ultraしか使わない」ならPICO Motion Trackerという選択になると思います。

結局のところ、Ultimate Trackerは「初心者〜中級者にとって最も手を伸ばしやすい無線トラッカー」でありつつ、「本格的にやりたい上級者でも十分実用になる性能」を備えているのが強みですね。

第8章 Ultimate Trackerの弱点や注意点

ここまでUltimate Trackerをベタ褒めしてきましたが、もちろん完璧なデバイスではありません。実際に使ってみると「ここはまだ課題だなぁ」と感じる点もあります。ここではその弱点や注意点を正直に書いていきます。

価格の高さ

まず一番の壁は価格。1台あたり約2万円後半〜3万円弱。なので、たくさんつけたい人には不利です。腰・胸・足首・ひざなどに5台は欲しいと考える人の場合だと、セットで10万円を軽く超えてしまいます。旧型のVIVE Tracker 3.0も高価でしたが、Ultimateもやっぱり「気軽に手を出せる値段じゃない」ことは間違いない。FBTをやってみたい初心者にとって、ここが最大のハードルになりそうです。Viveトラッカーと比べると、単体の価格が1万円以上も高いので、高くなります

暗闇の弱さとカメラとマッピング

 実際問題はここが一番大事な問題点です。マッピングがうまくいかないと、トラッキングもうまくいきません。カメラ二つを使って位置や距離を確認しているのが主なため、カメラが片方映らなかったり、陰や暗闇になってしまうと、一気にうまく表現できません。

 当サイトでは、VIVE Ultimate Trackerの細かなトラッキング原理をあまり説明していませんが、それはSLAMという仕組み自体が非常に難しく、種類も非常に多く、位置の動きの検出も種類によってだいぶ異なり、メーカーが非公表としている部分があり、正確な分類までできないからです。

SLAM自身には、各画像からの特徴点の検出が必須です。マッピング時に特徴点のオーバーラップがないと難しいため、動く物体がない環境下で、特徴的な静止しているものがおいていない環境下でないとかなり厳しいです。原理的な解決手段としては、下記のSLAMを確認してください。

SLAM(スラム)ってなに?〜自己位置推定と地図作成を同時にこなす技術〜

無線干渉

便利な無線方式ですが、他のデバイスとそこそこ干渉しやすい。実際、僕がイベントに参加したときに、同じ部屋で数人がUltimateを使ったら接続が不安定になる瞬間がありました。個人プレイでは問題ないけど、複数人同時のスタジオ利用や大型イベントでは旧型の方が安定することもあります。

発熱と装着感

長時間使っていると、トラッカー本体がほんのり暖かくなります。冬場は気にならないけど、夏場の長時間プレイだと汗でベルトが滑ったり、熱で不快になることも。旧型より軽量になったとはいえ、「ずっと快適」とまではいかないので、定期的に位置を調整してあげる必要があります。

総じて言えば、Ultimate Trackerは「圧倒的に手軽になったけど、まだ高価で完全無欠ではない」という立ち位置。これを理解したうえで導入するのが大事だと思います。

第9章 今後の展望

VIVE Ultimate Trackerの登場は、単に「新しいトラッカーが出た」という以上の意味を持っています。今後のVRChatやメタバース文化にどんな影響を与えるのか、ここで少し未来を見てみましょう。

無線トラッカー普及によるカルチャーの変化

これまでは「FBTは一部の熱心なユーザーのもの」という印象がありました。部屋にベースステーションを設置できる人、数十万円の機材を揃えられる人だけができ、HMDも一部の機器に限られるという特権。でもUltimateによって、そのハードルが一気に下がった。これからは「ちょっと頑張れば誰でもきれいな動きをどんなヘッドマウントでもフルボディデビューできる」環境になるでしょう。そうなると、イベント参加者やお砂糖関係のフレンド同士が「当たり前にFBTで遊ぶ」時代が来る。これって、VRChat全体の表現力を底上げする大きな変化だと思います。

他社デバイスとの競争

PICOや独立系のUni-motionなども進化を続けています。Ultimateのような「設置不要・無線式」が主流になれば、競合他社も追随するのは間違いない。これによって価格競争が起きれば、今よりも安くフルボディを始められるようになる可能性もあります。つまりUltimateは「無線FBT戦争の火付け役」になったとも言える。

次世代デバイスへの期待

将来的には、トラッカーそのものがさらに小型・軽量化され、アバターの指先や表情まで簡単にトラッキングできるようになるかもしれません。Ultimate Trackerは、その最初の大きな一歩として位置づけられています。

まとめると、Ultimate Trackerの登場は「動きの再現性が高いフルボディが一部のの特権から、誰でも楽しめる日常へ変わる」転換点になっていると思います。数年後、振り返ったときに「FBT普及のきっかけはUltimateだったよね」と語られる可能性は十分あるでしょう。

第10章 まとめ

ここまでVIVE Ultimate Trackerについて、特徴から実際の使用感、他デバイスとの比較、そして今後の展望までじっくり見てきました。最後にポイントを整理しておきます。

初心者におすすめできる理由

一番の強みは「ベースステーション不要で誰でも始められる」こと。これまでは「部屋の環境が整ってないと無理」「機材が複雑で難しい」と思われていましたが、Ultimateはその壁を大きく下げてくれました。これは圧倒的に利点です。ただ、マッピングが微妙だと、何もかもうまくいきませんし、トラッキングは外れますが。

上級者が活用できる場面

ベースステーションが設置できない環境だったら、長時間使えるバッテリー、無線による自由な動き、死角に強いトラッキングは、ダンスイベントやパフォーマンスの表現力を広げてくれる。VIVE Trackerには及ばない部分もありますが、シーンによっては「Ultimateの方が快適」と感じる人も少なくないでしょう。

注意点を忘れずに

弱点もきちんと押さえておく必要があります。価格が高いこと、無線干渉のリスクがあること、暗闇に弱く、カメラがふさがるとだめなとこ。これらを理解した上で、自分の用途に合うかどうかを判断するのが大切です。「動きの再現性が暗闇でも欲しいし、ベースステーション環境を構築できる」ならViveTrackerや光学式を、「とにかく手軽さを優先したい」ならUltimateを、という住み分けが現状ベストだと思います。

VRChat以外の広がり

VRChat用途をメインに語ってきましたが、UltimateはモーションキャプチャやVTuber配信、研究用途など幅広い現場でも活躍できます。設置が不要だから、スタジオ以外の場所でもすぐに撮影できるし、導入コストを抑えつつ高い表現力を実現できる。これは従来の「機材を揃えて環境を構築しないとできない」世界観を壊すポテンシャルがあります。

最後に

僕自身、Ultimate Trackerでフルボディになったとき、「これが新しい当たり前になるんだろうな」と直感しました。まだ課題は残っているけれど、VRChatカルチャーにとっては確実に大きな一歩。これからフレンドの多くがFBTデビューして、もっと自然に踊ったり、遊んだり、甘えたりできるようになる未来が楽しみで仕方ありません。

Ultimate Trackerは「フルボディの夢を、現実にぐっと近づけてくれるデバイス」。そう言っても言い過ぎじゃないと思います。