HaritoraX2(以下、ハリトラ2)のフルトラをVRChatでやってみました。ハリトラ2は、シフトールが発売しているIMU方式のフルトラデバイスです。実質的に、前回のハリトラワイヤレスの後継機にあたります。今回のデバイスに加え、来年秋に発売予定の別付属品 HaritoraX 2 Add-on “R”を購入することにより、光学方式も併用できる予定となっています。来年秋以降である点要注意です。
注意事項
本体とは別に、両足の角度調整アダプター(本体に付属せず。2月下旬に無償でお届け。3Dプリンタ所有者は印刷可能)が必要と公式から発表がありました。3Dプリンタが手元にないので、今回は、角度調整アダプターがない状態でのトライになります。3月2日時点で到着しています。
- ハリトラ2関連記事
- フルトラと想定読者について
- ハリトラ2の本体
- 公式HP
- 旧ハリトラワイヤレスについて
- 公式ディスコードについて
- 納期について
- 必要なもの
- 設定方法・トラブル等
- 【設定編】つまづいたところ
- キャリブレーション
- 装着方法とVRChat側の設定
- その他Shiftall VR Managerの設定
- モード1の記事は別に記載
- 検証1:本当に一時間ずれないのか?
- 検証2:動いてみたらどうか?
- 検証3:毛布をかけて寝てみたらどうか?
- 電池の持ち
- 他のデバイスと比べてどうか?
- ハリトラワイヤレスと比べてどうか?
- おススメの購入方法
- おススメユーザー等
- お勧めできないユーザー等
- 【強調】購入前に把握することが大事
- 比較対象のデバイス一覧
- 【続編】専用のアダプター到着後の動きや比較はこちらの後編に記載
- ベルトズレなどを抑えて、動きを改善したい人へ
- HaritoraX2(ハリトラ2関連の記事一覧はこちら)
- 他の記事
ハリトラ2関連記事
今回の記事以外の関連記事は全て、下記に記載しています。あらかじめ公表されていた基本性能等は、以下の記事に記載しています。
フルトラと想定読者について
フルトラって何?どういったものがあるの?各デバイス毎の違いは?という人は、下記をご確認ください。
こちらの記載前提で、すすめます。
フルトラをVRChatで遊ぶための19種類のツールを全く知らない人向けに一挙紹介!【2025年4月26日現在】
フルトラは体全身を使って操作する技術の略称で、正式にはフルボディトラッキング(以下フルトラ 英語:FullBodyTrackingでFBT)といいます。VRChat上では、一般的に使われている名称です...
ハリトラ2の本体
本体には、上から胸(CHEST)、腰(HIP)、左足(LEG L)、右足(LEG R)につけるIMU方式のトラッカーがあり、一番下に6個のUSBCを充電できるケーブルがついています。ケーブルは、ハリトラワイヤレスの付属品と同じ構造のものです。電源をONOFFするメインボタンと、その他調整用のサブボタンがあります。
白い蓋の下に、各トラッカーを固定するベルトと有線を固定するひもがついています。
公式HP
https://ja.shiftall.net/products/haritorax2
公式写真右に装着例がありますが、頭のHMDやコントローラー、および顔周辺に着けているデバイス類*は、今回のハリトラ2ではありませんので、ご注意ください。それ以外に取り付けているのがハリトラ2です。
*ミュートークシリーズと推定
旧ハリトラワイヤレスについて
前の機種であるハリトラワイヤレスの詳細は、こちらをご参照ください。
ボタン操作等は、ハリトラワイヤレスと共通している内容も多く、ハリトラワイヤレス経験者でしたら
ボタン設定なども共通している点が多いです。
公式ディスコードについて
公式ディスコードがあります。シフトールの皆さんが常駐していることも多く、不明点があったら、こちらで確認することをお勧めします。
納期について
前回のハリトラワイヤレス登場の際は、海外生産&新方式等色々事情があり、遅れが発生していました。しかし、今回は当初予定の1月納期通り、1/31までに到着しました。フルトラデバイスを購入する際なのですが、メーカーで直販するタイプの場合は、基本的には納期+αを見積もることをお勧めしています。
シフトールさんの場合は、発売初月が1月納期だったら、早くても1月末位になると想定されることをお勧めします。Amazon等で売っている市販品とは異なります。
また、両足の角度調整アダプター(本体に付属せず。2月下旬に無償でお届け。3Dプリンタ所有者は印刷可能)が必要だということが動画を見ないと絶対わからないので要注意です。なお3月2日ごろに到着しています。引き続きトライしていきます
必要なもの
通常のVRモードで使うHMDやコントローラ、PC以外に、以下のものが必要です。対応HMDはこちらに記載されています。特に角度調整アダプターについては、公式の取扱説明書にも反映されていないので、要注意なのですが、2/2時点では全てそろっていない点に注意です。Bluetoothはアップデートの時に必要です。
・本体
・USBAで充電できるACアダプター等
・Bluetoothモデル:シフトール推奨のBluetoothドングルおよびPC内蔵Wi-Fi / Bluetoothコンボアダプター(市販品)
・専用ドングルで動作させる場合:GX6ドングル(シフトール公式で発売)
・Shiftall VR Manager(事前インストールをお勧めします)
・角度調整アダプター(本体に付属せず。2月下旬に無償でお届け)
・靴下等(ズボンの裾をまとめて、センサーが見えるようにするためのもの)
*公式動画にて、足に専用の角度調整アダプターを付ける旨載っております。
発送は2月ということで、今回はつけないで実施しています。3Dプリンタを持っている方はデータを印刷して、実践可能とのことです。
*角度調整アダプターについては公式動画に記載
このため、公式非推奨状態でのトライという点ご理解ください
また、各部の名称もご確認ください。
センサー各部の名称
設定方法・トラブル等
下記の公式のGoogleドキュメントを参照して設定します。
https://ja.shiftall.net/haritorax-manual-index
ドキュメントの熟読が重要
基本は上記のドキュメントをPCで開いて、熟読してください。熟読としつこく言っているのは
・ハリトラワイヤレスを使ったことがある人
・専用ドングル、Bluetoothを使う人
・HaritoraConfiguratorの設定が残っている人
・お久しぶりにシフトールのデバイスを設定する人
と色々なタイプや使い方によって、設定手順や解決方法が全然違うので、ご注意ください。
また、前回までは、基本的に設定用のソフトが、HaritoraConfiguratorのみでしたが、途中でハリトラワイヤレスもShiftall VR Managerに対応し、今回は、Shiftall VR Managerのみに変更になっています。この変更は非常に大きいです。同じメーカーのソフトですが、メニュー等も全く違うので要注意です。(当サイトは、今回よりShiftall VR Managerに完全移行するため、本記事を記載しています。どうしてもHaritoraConfiguratorにしたい方は、ドキュメントを参照して、設定ください。)
また、公式はGoogleドキュメント形式のため、Google検索では出てきません。各ドキュメントを開いて、Ctrl+Fを押して検索する、適宜マニュアル内を熟読すると、解決策や小さなリンク先が載っていますので、非常に面倒な仕様となっています。
設定動画
マニュアル内にもリンクがありますが、共通で実施しそうな動画をピックアップしておきます。
今回は、つまづいたところや注意点のみ抽出して、書いていきたいと思います。
【設定編】つまづいたところ
設定の大まかな流れは
大まかな流れ
①ベルト取り付け&ソフトインストール:30分
②ソフトウェアアップデート&デバイス接続:15分
③キャリブレーション:15分
です。スムーズにいけば、大体45分~1時間で完了します。現状、他のIMU方式のフルトラデバイスの中で一番時間と手間がかかります。これは他の設定等の手順書を読んでいた時間も含まれているため、実際スムーズにいけば、もっと短いと思います。ただ、初めての人じゃなくても、ハマると悲惨な下記のつまづきポイントにご注意ください。
つまづきポイント①専用ドングル(GX6)を使うのを強く推奨
まず、ハリトラ2には、従来のハリトラワイヤレスと同じようにBluetoothで接続するモードと専用ドングルで接続するモードがあります。前回では、一般向けWindowsPCのBluetoothの最大同時接続数7つという制限に対し、最低構成でも6台使うことかなり厳しい条件でした。今回は、4台となり、接続台数に余裕ができました。ついに使えるようになると喜びながら、さっそくShiftall VR Managerを起動し、Bluetoothでやっていった矢先の出来事でした。
・Bluetoothモードでペアリングできずに終了
結論から言うと、接続できませんでした。PC側のBluetooth接続ドングルも、推奨品を使用しましたがダメでした。そのほか、FAQ・トラブルシューティングに記載の対策を実践しましたが、NGでした。
設定開始から1時間ほど調整しましたが、結局挫折しました。ファームウェアアップデート時はBluetooth必須のため、怖いです。自分の場合はあきらめてしまいましたが、普通につなげたい人は、公式Discordで聞いてみましょう。
*記事作成を優先し、上記のトラブル解決はあきらめました。
・専用ドングルの場合、30分ぐらいで設定完了
対して専用ドングルGX6での接続は問題なく?できました。専用ドングルに切り替える際は、事前にドングルの更新が3分ほどあります。
つまづきポイント②:取説で見つけづらい無線への切替え
ハリトラワイヤレスのときもメンドクサイと評判だったBluetoothから専用ドングルへのモード切替は、前回と同じ12回交互に押すやり方です。公式説明書に記載がありますが、結構見つかりづらい場所に記載があるのでリンクを貼っておきます。
前回の経験から、無事成功しました。切替後にサブボタンを押すと、緑色が4回点灯します。
注意点ですが、ボタンを押したのち、センサーペアリングをしても、切り替えがうまくいかない場合は、いったん電源を切った後、つなげることをお勧めします
前回の苦く苦しい経験のおかげでものすごく早いスピードで完了しました。今までの中でPICOMotionTrackerの次くらい楽な滑り出しです。(ただし慣れている人のみで、初めての人はもう少し躓くと思います)
キャリブレーション
ポイント①:3種類のキャリブレーション
デバイス接続後は、キャリブレーションです。キャリブレーションは今回3種類あります。すぐに使いたい場合は、直立➡スキーポーズで完了です。
どのキャリブレーションもトリガーを複数回押すことで、クイックで動作可能です。この中で一番動きの再現にかかわるのは、スキーポーズキャリブレーションです。
ポイント②:スキーポーズキャリブレーションはメーカーの指定通りにする
直立とスキーポーズは、スキーポーズとシフトール独特な名称が書いてありますが、ユニモーションやSlimeVR等他のIMU方式のデバイスの利用者ならなじみのあるキャリブレーションです。シフトールの場合、下記のおススメの方法があります。
VR Managerのキャリブレーション姿勢はこんな感じです。NG例も一部列挙しておきますので、ご参考ください。ポイントは膝を入れる(膝カックンの要領)、背中を曲げるです。胸センサーはバストトップより上のライン。お腹が大きめの方はHIPセンサーを背中に装着してください。 pic.twitter.com/8smJ1jYVXx
— 株式会社Shiftall (@shiftall_jp) February 2, 2025
ちなみに、スキーポーズキャリブレーションをする理由は、全IMUデバイスを傾けることで、傾きを補正するためです。極端に傾ける必要はありません。メーカー推奨のポーズをしてみましょう。デバイスを傾けることが一番大事です。
ポイント③:間髪開けずにキャリブレーション
で、IMU方式では、常に変動する地磁気等の関係から、直立➡スキーポーズ➡VRChat上のキャリブレーションを間髪あけずに、すぐにやるとズレが少なくうまくいきます。トリガー操作でできるクイックキャリブレーションを使うのがおススメです。
3つ目の「正面をリセット」は寝キャリブレーション
「正面をリセット」は、正面をリセットするものですが、上向きで寝た時にする「寝キャリブレーション」でもあります。ただ、位置の誤差を小さくしたい場合は、仰向けではしないでください。ユニモーションや他IMU方式も推奨していないと思います。
装着方法とVRChat側の設定
当サイトは、既にVRChat側のフルトラは設定済みなので、この記事では記載を省略しています。シフトールの公式ドキュメントの記載や下記記事のフルトラの設定方法 後半(VRchatに入った後編)を読んでいただく等して進めてください。
【フルトラッキング】キャリブレーションと設定方法について【2025年4月28日】
そもそもフルトラって何?って人はフルトラという言葉がイメージできない方、フルトラで動いている様子はこちらを参照ください。フルトラのキャリブレーションを把握するには、HMDやデバイスの知識も必要です。詳...
VRC側のおすすめの身長の入れ方を下記記事後半に記載しています。
ポイント①:装着する位置と身長の設定はかなり大事
動きの再現を高めたい場合、IMU方式の原理的に一番重要なのは、装着する位置と身長の設定です。身長は必ずIMU方式のソフト側でもVRChat上でも、リアルの身長を入れてください。設定方法は公式に記載があります。
また、IMU方式は頭から始まって、胸➡腰➡膝上➡膝下と各センサの位置を伝わって体の各位置を推定します。このため、メーカー指定のセンサの取り付け位置に取り付けることが非常に重要です。
センサの装着方法
こちらのマニュアルを参照ください
特に、KNEEセンサーの角度を必ず確認してください。また、HaritoraX / 1.1 / 1.1B / ワイヤレスと取り付けの位置が違うので気を付けてください。
身長設定
VRChat及びClusterでの使い方
その他Shiftall VR Managerの設定
今回、以下の設定で実施しました。基本インストールした状態から変えていません。センサー動作モードはMode2で地磁気環境は、基本的にGood以上のいい環境で実施しました。地磁気環境が悪い場合は、公式のFAQを参照ください。Mode2にしてみてください。
*mode2で今回トライしていますが、公式マニュアルだと地磁気環境が良い場合はmode1のほうがずれにくいということ。自分の理解が完全に間違えていて、公式からアドバイスもらって修正しているので、皆さんもご注意ください
https://docs.google.com/document/d/1OBcnitaRU5I-9kM3KFZgb-iZx8Xmjqk8rgX7OuHy4kk/edit?tab=t.0
ここのセンサー通信頻度は、センサーとPCの間で姿勢データを送る頻度を設定できます。電波状態が悪い、他のBluetooth機器を併用して不具合が起きるときは、50FPSを選ぶと改善する可能性があると記載があります。
自分の場合は、Mode2のままでトライしました。(Mode1にすればよかったかも)
モード1の記事は別に記載
モード1での結果をまとめたものがこちらになります。
HaritoraX2で角度調整アダプタをつけ、モード1で動作するとどうなるか?検証してみた【2025年4月20日編 続編 2/2】
寝ているとき以外のトライでは、姿勢計算FPSの設定を200fpsに変更しました。
この状態で以下トライしました。
このように、解決方法等も公式のマニュアルに全部書いてあるのですが、膨大なため、マニュアルの熟読やサーチして見つける能力が問われる難しさがあります。
検証1:本当に一時間ずれないのか?
注意事項
*公式動画にて、足に専用の角度調整アダプターが必要な旨が載っております。しかし、発送は2月のため、今回はつけないで実施しています。ただ、3Dプリンタを持っている方はデータを印刷して、実践可能とのことです。
結論:やり方ではずれない
で、今回、公式がずれませんとメリットを強調していたので、1時間ずれないか検証してみました。結論から言うと、肺呼吸でお腹に空気を入れずにじっとしていれば、ずれないです。腹式呼吸やお腹を動かすと、どんどんずれていくなぁという印象です。ハリトラは特にお腹周辺のズレが強いです。
基本的にIMU方式の場合、お腹周辺のズレは、結構あります。なので、おなかで呼吸しないことが重要だと思います。お腹で呼吸すると、腰付近が当然動くので、お腹だけ左右どちらかにいって、句の字ぐにゃあと曲がっていく様子が再現できました。
あと公式としてはmode1のほうが長時間ズレないそうなので、別記事を参照ください。
この腹式呼吸によるずれは、どのIMU方式でも大体発生しますが、ユニモーションの場合は専用の防止モードがあり、ある程度防げます。
ユニモーションでVRChat上でフルトラして、他デバイスと比較してやってみた 20241127版(Unimotion)【Uni-studio v.1.4.4版】
後。正面キャリブレーション(実質寝キャリブレーション)もすぐできるので、睡眠に入るまでの時間は十分にあるので、困らないと思います。
結論:寝姿勢ならユニモーションよりいい
ただ、こちらがUnimotionの場合なのですが
寝た状態のキープ具合を考えると、ドリフト自体も少なめのハリトラ2のほうがいいです。個人的には、動くことを考えるとユニモーションの方がいいかなと思っています。ユニモーションのほうが、ズレが少ない印象です。
検証2:動いてみたらどうか?
結論:ハリトラワイヤレスよりは改善している。
到着後に着けた様子がこちら。ドリフト感は少し残っていますが、足がある付近まで白い球が来ています。
ハリトラワイヤレスより改善していると思います。
検証3:毛布をかけて寝てみたらどうか?
結論:わるくはない
現状、角度調整アダプターがないと、両足がうまく動いていないなぁという印象です。また、角度調整アダプターがないため、毛布をかぶせた後の足首検知機能もうまく働いていないなぁという印象でした。
電池の持ち
3時間使っておおよそ5%しか減りませんでした。単純計算で60時間ですが、前よりバッテリーもちは強い印象です。電源ON/OFFは、Shiftall VR Managerを切ると20分後ぐらいに切れるとのことです。ソフト側でも全部切れます。
https://docs.google.com/document/d/1OBcnitaRU5I-9kM3KFZgb-iZx8Xmjqk8rgX7OuHy4kk/edit?tab=t.0
他のデバイスと比べてどうか?
結論:前のハリトラワイヤレスよりも確実に改善しているのはわかる
今回の動きはこちら
旧機種よりもドリフト等の基本的な動きは大幅改善
前回のハリトラワイヤレス+GX6やUnimotionやVivetrackerと比べてみます。前回はそもそも電波環境等により追従がうまくいっていない、球がそもそも体にこないという、なかなかな状態でしたが、今回は、そのあたりが大幅に改善されています。
正直言ってかなり使いやすくなっています。ドリフトも大幅にへっています。前回はこちら
ただ当然ながら、常に位置を取得していて、ドリフトというものが原理的には発生しない光学式のVIVEトラッカーとは、差が非常に大きいです。体感ですが、5センチ位ずれている感じで、動きもIMU方式独特のふわふわ地上からゆらゆらしている感じが残っています。
PICOMotionTrackerやUnimotion(SlimeVR)とも比較
また、PICOMotionTrackerやUnimotion(SlimeVR)とも比べてみましょう。
PICOMotionTrackerよりはドリフト多めという印象です。PICOMotionTrackerは、立位は結構追従しているように見えますが、腰付近の動きの再現性、座位や寝姿勢に対して弱いので、その点は、ハリトラ2の方が有利です。
Unimotionとの場合、寝姿勢から腰をひねった動き等は弱いです。現状の細い腰、胸ベルトだと、Unimotionよりずれやすいのも原因の一つだと思います。
BNO085 ×6個(SlimeVR)との比較
デバイスの選定や購入、法規の理解、トラブル対応等ができる上級者向けになってしまいますが、BNO085×6の場合とも比較してみましょう。こちらのほうが動きがいいと思いますし、設定も楽です。サイズが大きいので、その点のデメリットはあります。ドリフトは少し強めに出ています。
特に腰をひねったりするときのズレなどは、こちらの方が抑えられています。
新型センサということでしたが、割と前からあるBNO085ほどではないみたいです。
なお、Haritoraシリーズでは、公式でSlimeVR対応していません。有志で作成したもの等を利用した場合、保証対象外になることにご注意ください。
ViveTrackerの光学式フルトラ等との比較
光学式と比べると、IMU方式特有のドリフトのふわっとしたゆらゆらも相変わらず消し切れていない感じですね。
動画で動くと不自然なカクカクとした動きです。モード1を検証した結果も含めても、ぬぐえません。
ViveTrackerの光学式フルトラを全て◎のものを基準として、【◎>>〇>△>>>×】で表現すると
設定の手間(キャリブレーション):△(どちらかというと、ユニモーションの方が楽)
実際の体とのズレ:△(ユニモーションの方がずれていない傾向)
ドリフト等実際動いていない余分な動き:△(ユニモーションの方が多い)
追従性:△
立位:〇
膝立ち:×(できない)
座位:〇
寝姿勢:△
のような動きの再現性です。立って足を動かす等の動きでは、足と太ももをくっつけても、再現できないし、腰をひねる系の動きは弱いです。ただ、写真をとるだけ、立位の動きや座位で必要十分な人にとっては、十分なデバイスなのかもしれません。
ユニモーション等との動きの違いについて
ユニモーションとハリトラシリーズとの違いですが、ユニモーションがきびきび、ハリトラがぬるっとした感じで補正?する感じで動きます。今回、100fpsモードとユニモーションは144Hzモードなので、揃えて一回やってもいいかもしれません。以前よりも白い球は来るようにはなりましたが、ユニモーションよりきていないなという印象です。球のきやすさ、設定の手間、取り付け位置、追従性、乾電池駆動、ソフトの利便性などでまだまだUnimotionのほうが利点が多くあります。
誰もがベストな環境で出来るわけではない点注意
なお、IMU方式のフルトラデバイスではありがちなことですが、磁気や電波環境が違えば、動きの再現性やドリフトの頻度も全く変わってくるので、同一人物、同一環境で比較することがかなり重要です。他の人と比べて、「こっちの環境だともっといい動きができるよ」と別動画を出されて言われても、再現出来ない場合が全然あるので、この点ご注意ください。
白い球が体に来ない場合
通常時は実施しないように注意の記載がありますが、FAQ・トラブルシューティングのセンサーリセットというものがあります。詳しくはこちら
以前は、ぐるんぐるん回すなど様々な校正方法が記載されていたのですが、公式マニュアルから消えているので、当サイトでは、これ以上は言及できませんし、理由もよくわかりません。
ハリトラワイヤレスと比べてどうか?
出来ない動き以外は改善している
今回、足のセンサーが一体となり、膝周辺にセンサーをとりつける形式に変更となっています。バッテリーの持ちの長さも飛躍的に伸びましたが、liderセンサーもかなり上部に位置することとなりました。この変更を気にする方も多いと思います。結論から言うと、ひもを固定する箇所の耐久性等が少し気になる程度です。
ポイント1:膝で立つ姿勢ができない点要注意
今回、膝下あたりにセンサーを付けるため、膝で床を立つ動きができません。膝で立つ動きがあるダンス等には向いていないので、ご注意ください。アダプターがつくことが前提になりますので、膝で硬い床を立つ動きをすると確実に本体とアダプターが破損すると思います。
ポイント2:ベルト等多くが改良されているが、少し面倒に。
前回のベルトと比べると、取り付けフックが外れづらく硬めになっています。。細かな変化点ですが、実際使ってみると外れづらさを実感でき、非常に大きな改善点だと自分は思います。また、足はセンサー一体型になったことにより、落ちにくくなっています。デメリットとしては、膝付近の有線の固定も必要となっているため、その分手間が発生しています。
ポイント3:厚着の方やベッドでは特に足先に注意が必要
また、ベッド等や寝具で使うシーンが増えていると思いますが、ズボンの裾を足が見えるものでないと使えないので、靴下をはいている場合だったら、靴下にズボンの裾を入れるといった工夫が必要です。センサーの反応エリアは、公式のマニュアル等でわかります。マジックテープ部が全体として増えているので、毛布や寝具にひっかかりやすくなっているのも注意点です。
特に冬だと着る毛布などを着用することがあると思いますが、その上からつけてしまうと、センサー部分が隠れてしまい、結局足先の再現性が悪くなるという問題も発生するかと思います。白い球が前回よりは、体にきやすくなっています。
おススメの購入方法
専用ドングルと標準セットがおすすめ。肘はお勧めしない。
専用ドングルと標準セットがおすすめです。肘は、ドリフトなど他の動きに満足できるかどうか判断した後で購入されることをお勧めします。肘が追加されてもドリフトが劇的に改善するということはありません。どちらかというと、フルトラデバイスの方式に依存します。特に初めてのフルトラの人でドリフトを知らない人は、肘の購入をお勧めしません。
おススメユーザー等
5万円以内でどうしても他のIMU方式より動きの再現性が高いフルトラになりたいという方がお勧めです。ハリトラX2自体は、設定が大変以外は、動きの再現性等コスト的に考えれば悪いデバイスではないです。時間も長時間駆動し、ベルトも外れにくくなっているし、ハリトラワイヤレスとどっちが良いかと言われたら、こっちが確実にいいです。
ただ、他が進化しすぎていて、おススメユーザーの対象者が確実に減っています。従来機のように「IMU方式ならシフトールがお勧めです」と言える状況ではなくなっています。
①ハリトラワイヤレス等シフトールからシフトールに更新予定のユーザー
フルトラの使い方は人それぞれですが、動きさえしなければ、1時間たってもなかなかずれないことが今回のハリトラ2では、わかりました。ドリフトも従来機より減っています。フルトラデバイスを購入するとき「既存機種は購入済みで慣れているし、全然動かないし、座っているだけ没入感をある程度得るためにほしい。でも安い方がいい」という人にはかなり向いていると思います。膝立ちできないけど、ハリトラワイヤレスから更新したい方にはお勧めです。
従来機よりカスタマイズできるようになっており、進化
また、長年使い慣れたユーザーからすると、カスタマイズしやすくなってはいます。自分がそれでも初めての人にお勧めしているのは、保証体制が整っている等メーカーとしての基本的な体制が整っている点やユーザー側も多くの人がいるので、教えあうことができる点等あるからです。
なんらかのカスタマイズで動きは良くなると思われる
また、カスタマイズをすることや細かく設定することでズレ対策等は、よくなってくると思います。まずは、腰トラベルトを太くする、各トラッカーベルトを連結するあたりのカスタマイズが重要かなと思います。(当サイトでのおススメカスタマイズは、最後の記事紹介に記載)他にも設定をいじる方法はいくつかありそうですが、まずは、公式のやり方である程度できてからをお勧めします。
②予算5万円以内で、国内メーカー製のIMU方式の中でも、設定の手間やドリフトの低減、ある程度のキャリブレーションに妥協でき、動きの再現性をある程度得たい人
フルトラデバイスの設定は、どんどん簡単になっています。その中で難しくなっているため、初心者の方には向いていません。ただ、少し手間がかかってもいいという方、IMU方式を極めたいという方には向いていると思います。当サイトでは「フルトラになって次のアクションをする」ことが大事と考えているため、IMU方式に慣れて、色々妥協できる人向けのデバイスかなぁという印象です。
ドリフトの低減に関しても、SlimeVRなどのデバイスやPICOを視野に入れると弱いです。機材に詳しい人は、BNO085等をBooth等で買うこともできます。ソフトの使い勝手もSlimeVRの方が圧倒的に楽です。
お勧めできないユーザー等
光学式フルトラよりはるかに面倒やトラブルが多く、ドリフトもあったり、膝立ちができない等制約も多いため、光学式から切り替えるメリットはないと思います。
①事前に下調べをあまりせず、購入される初めての人
初めての人でも設定等を十分把握されてから購入するのなら全然おススメできるのですが、ハリトラX2ユーザーは、基本的に、購入後に読む傾向がかなり強いです。そのため、下調べをあまりせずに購入するくらいの初めての人には、全然おススメしていません。予算の関係やHMDをどうしてもQuestという方にはお勧めしています。他のデバイスのほうが、設定が楽な今、初めての人がつまづかないことを考えると、他をお勧めした方がいいかなと思います。逆をいうと、上記設定ができるのであれば、大きな問題ではありません。
おすすめできない理由①「初心者は、フルトラをしたいのであって、設定を覚えるためにやっているわけではない」から
個人的には、他社がどんどん簡単な設定ができるようにしている中、アップデートや接続トラブル含め、IMU方式のメーカー製で、一番設定が面倒で複雑難解なフルトラデバイスになりつつあります。UnimotionやPICO Motion Trackerのほうが導入ははるかに楽です。一番楽なPICOだと3分、Unimotionやmocopiもハリトラよりもはるかに楽です。悪いデバイスではないのですが、設定の面倒さが悪目立ちしています。
おすすめできない理由②電池の持ちの長さよりもドリフトや設定の手間に耐えられるかが重要
当サイトの調べでは、大体のメルカリ売却ユーザーがUnimotionの電池交換を一回したか位(10~30時間)しか使っていません。初心者の方は、乾電池式も視野に入れるべきだと思います。
②手軽に楽しみたい人
HMDがPICOシリーズなら、圧倒的にPICO Motion Trackerのほうがおすすめ
設定は楽な方がいいので、PICOMotionTracker等に対応しているHMDの方は、手間が少ないPICOMotionTrackerをお勧めします。PICOの場合、毎日のセットアップにかかる時間は、トラッカーの取り付け含め2分です。また、PICOMotionTrackerは、座位や寝姿勢の動きの再現性こそ高くないですが、挫折しづらいです。
③ダンス等動きの再現性をよくしたい人
動きをよくしたい&すぐに手に入れたいのだったら、ViveTrackerかUltimateトラッカーの方がいい
昔は無条件で光学式以外ならハリトラ勧めれましたが、デバイスの種類が多様化しており、おすすめ条件がどんどん狭まっています。動きをよくしたいのだったらUltimateトラッカー×3個の方がおすすめです。ちなみに、ダンス等ではどうですか?と聞かれるのですが、ダンスの動画をとったときにふわふわした動きをしたくないという方だったら、IMU方式はお勧めしていません。IMU方式は、動きを人に見せるデバイスというよりも没入感を味わったり、静止画向けのデバイスです
④光学式との併用方式をよくしたい人
ContactTrackの状況を待つべき
時期的にContactTrackもあり、ContactTrackの様子を確認することも検討の余地に入れてもいいかと思います。3/4以降、ContactTrackは、2か月以上の生産遅延の連絡が入っております。
ハリトラX2の追加オプションは、秋以降の販売予定のため、早く購入できる可能性は十分高いですが、安くてある程度動きが良いフルトラに期待したいという人は、光学式が前提のContactTrackの購入を検討しても良いと思います。
⑤膝立ちや膝を地面につける動きを再現したい人
土下座等ができないので、再現したい人は自動的に無理です。
⑤けがなどでスキーポーズできない人
他のIMU方式にも言えることですが、スキーポーズキャリブレーションは、毎回必要なので、けが等出来ない人は、できません。トラッキング点数が少ない光学式やカメラ方式、Ultimateトラッカー、PICOMotionTrackerなどを推奨します。
【強調】購入前に把握することが大事
理由①:ハリトラX2のユーザーは、購入してから見る人がほとんど。購入してからでは、遅い
フルトラデバイスを購入する上で、一番大事なのは、デバイスの選定です。デバイスを選んでしまうと、取り返しがつきません。ハリトラ関連のユーザーの傾向として、「購入してから」見てなんとかしようとする人が、非常に多いです。
情報の入手は、購入する「前」に必ずして、失敗した場合も含めて考えましょう。なお、他のIMU方式含めそのような傾向はみられません。また、当サイトの記事は、購入「前」の人が他デバイスを比較する向けに記載しています。購入後のサポートはメーカーに対応依頼してください。
理由②:初めて足動かすか試すだけなら、ハリトラX2は、少し高い買い物
私がフルトラを始めた時は、1万円で出来るカメラ式のフルトラから始めましたが、値段の安さだけでなく、フルトラデバイス自体が手に入らない時代でした。光学式のフルトラに切り替えることができるまでの半年間、VRCに入る前に10分程キャリブレーションや設定をしていましたが、今ではトラッカーの電源をつけるだけに変わりました。
その時、「今まで、毎回10分以上かかっていた設定の手間や苦労は、一体何だったのだろう?数万円ほど値段が高くてもこっちを選んでいれば、時間の無駄をせず、もっとフレンドと楽しんだり、VRChatや創作やイベントに集中できたのに。」とすごく後悔したことがあります。今となっては、フルトラデバイスは、どれも入手できる時代なので、皆さんには、手間や苦労がかからないデバイスをぜひ選んでいただきたいと思っています。
また最初は、「とりあえず安くて足動かせればいいよ」ということで、IMU方式を選んだ人でも、設定の手間の多さや動きの再現性がうまくできないことから、結局、光学式や複合式のフルトラを買いなおされた方もかなり知っています。足動かす位と思っているのでしたら、カメラ方式等安いデバイスでトライし、光学式やアルトラ等に移行することをお勧めします。
理由③:ハリトラX2はつまづくポイントが他と比べて多い
アルトラ等のデバイスの場合で設定に詰まるよりも、ハリトラX2は、原因不明で詰まるポイントが多く、初心者も購入しやすい価格帯のため、挫折する人が多いです。購入予定の方は、ぜひ事前の設定を把握していただくことやハリトラワイヤレス購入者等のフレンドから設定のポイントを聞くことをお勧めしています。
比較対象のデバイス一覧
ViveTrackerの記事はこちら
アルトラの記事はこちら
ContactTracksの記事はこちら
ContactTrackについてはこちらの記事をご確認ください
ユニモーションの記事はこちら
ユニモーションとどっちがいいかは、アダプターがそもそも着ていないので、現状判断できない感じです。また、ハリトラ2の膝立ちができないなどの動きを許容できるかが最大のポイントだと思います。個人的には、寝て起きるときにやりがちな動きのため、現行のハリトラ2の位置だと壊してしまいそうで不安です。
PICOMotionTrackerの記事はこちら
以上になります
3/2頃アダプター到着
3/2頃に足に取り付けるアダプターが到着しています。
【続編】専用のアダプター到着後の動きや比較はこちらの後編に記載
HaritoraX2で角度調整アダプタをつけ、モード1で動作するとどうなるか?検証してみた【2025年4月20日編 続編 2/2】
ベルトズレなどを抑えて、動きを改善したい人へ
公式ではないが、ベルト周辺を整えることによって、IMU方式でもズレを抑えることができます。
特に付属品のまま使うと、膝、腰、胸のズレが激しくなるので、別途固定することをお勧めします
詳細は以下の通り
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おわび
今回、ぶいなび様の無断転載の件により、対応が遅れましたこと申し訳ありませんでした。記事が2日も遅れて、2/2になってしまいました。大変申し訳ございませんでした。もう少しタイムリーに届けるようにがんばります。精神的に疲弊しているため、記事も不出来な点がありましたら申し訳ないです。写真や図に関しては後日著作権対応をします。
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