HaritoraX2(以下、ハリトラ2)のフルトラをVRChatでやってみました。ハリトラ2は、シフトールが発売しているIMU方式のフルトラデバイスです。実質的に、前回のハリトラワイヤレスの後継機にあたります。今回のデバイスに加え、来年秋に発売予定の別付属品 HaritoraX 2 Add-on “R”を購入することにより、光学方式も併用できる予定となっています。ただ、来年秋以降の発売【予定】である点に要注意です。
そんなハリトラ2ですが、当サイトでは、以前、角度調節アダプタがなかったため、なかった状態で実施していました。
HaritoraX2(ハリトラ2)のフルトラをVRChatでやってみた【2025年5月17日版】(前編)
HaritoraX2(以下、ハリトラ2)のフルトラをVRChatでやってみました。ハリトラ2は、シフトールが発売しているIMU方式のフルトラデバイスです。実質的に、前回のハリトラワイヤレスの後継機にあ...
今回、入手し、別途モード1でトライしてみました。上記の記事を読んだ前提で記載しています。
モード1の設定方法
シフトールマン(と当サイトが勝手に読んでいるだけで、シフトール社長)をはじめ、公式からも何度も何度もお勧めされている「モード1」。
普通にわからないと思うので、簡単に説明すると、ハリトラ2には、キャリブレーションの種類が2種類あり、それをそれぞれモード1、モード2と選ぶことができます。通常、簡単なデフォルトをモード1とすると思うのですが、デフォルトは「モード2」となっております。前回の記事で、自分も公式(社長)からメッセージ頂き気づいて修正しています。つまり、ちゃんとわかっているのは、シフトール関係者だけなのかもしれません。
で、このモード1なのですが、デフォルトのモード2と比べると何が違うのかというと、「地磁気環境が良い状態」でないとキャリブレーションできないというのが、最大の特長です。公式より実際にどのようにやるのか、以下で解説しています。
公式動画
こちらの動画、モード2と比べても、複数回キャリブレーションしないといけないのがわかると思いますが、かなりめんどくさそうです。モード2では、1回でキャリブレーションが済んでしまうのを考えるだけで苦痛です。
【設定編】モード1に変更してみた
まず、どこから切り替えるのか、マニュアルを読んでも、わかりづらかったので、ここに書きます。
自分の場合は専用ドングルなので、専用ドングルの「一括設定」をクリック。
すると、センサー動作モードがあるので、そこをMode1に変更
足首動き検知機能をONにしたい場合は、ONに。
スクショ上ではONですが、実際はOFFにしています。
センサー動作モードを「Mode1」、Mode1キャリブレーションのところが「Not Coupled」になります。
そののち、ずっと「直立キャリブレーション」をクリック
時々動き回って、直立キャリブレーションを繰り返します。
そうすると、下図のように全て「Calibrated」になっていたらモード1の調整は、完了です。あとは、モード2と同じように直立➡スキーポーズキャリブレーションをしましょう。
*下記スクショは、記事記入中のスクショのため、変なポーズになっています
かかった時間
実際このモードが成立するまで、どれ位かかるのかというと、大体おおよそ3分以上かかっています。
このあたりは、一発で決まればすぐだと思いますが、正直言って、キャリブレーションの前段階の調整でこんなに時間がかかるのは結構憂鬱です。
モード1で実際やってみた
で、球がアバターに来るように、30分位調整したのち、動いた様子がこちらになります。
立った状態での動きは、前回のハリトラワイヤレスと比べるとまぁ、進化しています。
ドリフト等も減っており、よくなっています。このあたりは、前回同様です。アダプターの有無もやはり影響があるようで、足元の表現がない時と比べて再現できるようになりました。
ただ、足先の表現は、少し弱いです。
また、ViveTracker、PICOMotionTracker、Ultimateトラッカーなどと比べると、ドリフトのような動きはやっぱり残ってしまっています。進化はしているけど、他のデバイスより何かを上回ったのか?と言われると、そこまでではなく、既存機種の改善の範囲内という印象です。
また、VRChatユーザーがよくする動きを研究して、製品に反映しているなと思います。ただし、全部を反映しているとは思っていないです。
1時間やってもずれないは、特定の条件のみ
ちなみに、公式は一時間動いていも、ずれないと言っていたので
公式が1時間やっているうちで、皆さんがよくやる動きのうち、やっていなさそうな「VR睡眠時やベッドで寝ているときにやりそうな、寝返りや腰回りや足を動かす動作」をやってみました。公式でださないということは、弱そうな動きかなぁと思ったのが理由です。実際動いた様子がこちら。30秒後ぐらいからしています。
mocopiほどではないですが、寝ているときに寝返りを打ったりすると、この短時間でも、少しずつずれます。主に腰周辺がずれます。この傾向は、どのIMU方式のデバイスにも見られがちな傾向ですが、一時間ずれない!!と宣伝すると、多くの方がどんな姿勢で動いてもずれないと勘違いすると思います。しかし、実際は動くのでずれます。ずれにくいのは、あくまで「IMU方式の中で特定の条件では」という認識が重要です。
ViveTrackerの光学式フルトラを全て◎で表現すると
設定の手間(キャリブレーション):△
立位:〇
膝立ち:×
座位:〇
寝姿勢:△
という感じです。IMU方式は基本的に頭➡胴体➡手足と読み取って動きを推定するので
頭➡他に影響極大
胴体の動き➡他に影響大
手足➡影響小
です。なので、立位で歩くような胴体を動かさない場合は、ドリフトは少な目ですが、自分のムーブのように胴体を独立させて動かすムーブをするとドリフトしやすくなります。
個人的には、キャリブレーションし直しやデバイス自体がずれていたら、修正する等ですぐに対応できますが、常に絶対座標を測定する光学式と比べてしまうとどうしてもこのあたり弱いので、正直自分は使わないと思います。
モード1の感想
Mode1は、確かに以前のハリトラワイヤレスやモード2と比べると、ずれなくなったかなぁという印象です。ただ、ただでさえ面倒なIMU方式の設定に対し、これは、限りなくめんどくさいです。
しかし、前機種登場して以降に出てきた、PICOMotionTrackerやViveUltimateTracker等と比べると、劇的に何かが変わったという印象はなく、結局、前期種の改善にとどまっている印象です。
おすすめの対象ユーザー
4万円位で始めることができるデバイスとして
・脛にデバイスがついていることから、膝立ち等できない動きなどが一部ある
・キャリブレーションなどが面倒でない
と思われるユーザーなら、購入しても問題ないデバイスかと思います。
膝立ち膝立ちいうけど、具体的にどういった動きができないかというと、ラジオ体操関連のイベントで
やっていた例として、こういったものがあります。
(ぼかして表現しているのは、アフターなのか?までがよくわかっていないため)
このような筋トレで負荷を軽減するために膝を床につける動きの場合、ViveトラッカーやUltimateTracker、PICOMotionTracker等は、膝を取り外してもフルトラ可能(PICOは元々そこに取り付けれない)なのですが、ハリトラX2はできないですね。
個人的には、ヨガ等で結構使われるような膝立ちの動きができないのは、かなり致命的なので、ダンスや体操ユーザーには、一様に全くおススメできません。
おおまかな対象者としては
・既存のハリトラワイヤレスが壊れてしまった
・HMDがPICOMotionTracker対応ではないQuestシリーズ等でフルトラ初めての人
・ライトハウス方式のHMD以外で新しくフルトラ始めるという人
・普段あまりフルトラしない人
・寝てごろごろ長時間過ごさない人(立位と座位が多めの人)
にはお勧めです。
このうち、ハリトラユーザーで結構ありがちなのですが、かつて抽選販売でフルトラ機材が入手しづらい時期にハリトラではじめて、ライトハウス環境のHMDでやっている方でしたら、基本的にViveTracker3.0をお勧めします。現在、ライトハウス方式のフルトラは、かなり購入しやすくなっています。BS1.0でも2.0でも光学式の方がお勧めです。
以上のことから、購入をおススメしない対象者としては
・ヨガやスポーツ等の表現で膝立ちを使う人
・HMDがPICOMotionTracker対応HMDでフルトラが初めての人
・ライトハウス方式のHMDの人
・ハリトラワイヤレスやmocopi等、他IMU方式で駄目だったのに、切り替えようとする人
になります。また、IMU方式のフルトラデバイスで挫折してしまった、キャリブレが時間かかって困るよって人は、基本別方式のVivetracker等をお勧めします。
以上になります