VRChatでフルトラになろうとする際に、まず真っ先に候補として挙がってくるのが、ハリトラワイヤレス(以下、HaritoraX ワイヤレスは、便宜上ハリトラワイヤレスと記載します)とユニモーション、mocopi等他IMU方式のフルトラデバイスです。理由としては、何といっても新品で3万円台からフルトラになれる価格でしょう。
しかし、本当に数万円もする買い物をどういったものかわからず、公式の発表やプレスリリースを鵜呑みして、購入してもよいものなのでしょうか? 当サイトでは、何度もフルトラになれるというのは、フルボディでトラッキングできることだけを言っているのであって、没入感が得られるか、精度や性能の差は全然違うと記載してきました。
2023年6月より以前は、フルトラデバイスはかなり入手が難しい状態で、まず手に入れること、フルトラになれることが重要でした。しかし、2023年6月以降は、ハリトラワイヤレスの登場により、フルトラデバイスは圧倒的供給量が増え、フルトラになれずに困っているという状況は解決したように思えます。
逆にあらたな悩みも出てきました。「IMU方式のフルトラって、ハリトラワイヤレスとハリトラとユニモーション、mocopiがあるけど、どれにしたらいいのかわからない」という問題です。「有線と無線どちらがいいですか?」と聞くと大体「無線」と回答が来ます。つまり、「ハリトラワイヤレスとユニモーション、mocopi」のどれかで悩んでいるということです。
当研究所では、フルトラ国勢調査と題して、フルトラの調査を定期的に行っていたり、フルトラをやめた人から聞き込みをしたのですが、その調査で浮かび上がってきたのは、主に「フルトラ機材を手に入れても、設定やキャリブレーション、体にくっつける手間が多くて面倒」といった問題から、最終的にフルトラをやめてしまう人が非常に多いということです。つまり、装着性がかなり重要、トラッキング点数ははじめは少な目が重要ということがわかっています。IMU方式では、安価でトラッキング点数多めになりがちですが、装着点数=面倒さが増えるので、装着点数の少なさは重要なポイントです。
そこで今回、実機をどちらとも手に入れたので、こちらに設定やキャリブレーション、体にくっつける手間がどれ位めんどくさいものなのかを検証結果を書いていきたいと思います。
*注意点:この記事は、検証内容が複数でたくさんあることから、実施した順に追加記載いたしますので、完成版までは時間がかかりますので、少々お待ちください。以下、本記事は【2024年9月15日時点】として最新となります。
動画解説ではなく、視覚障害者等の方に向けた【音声による記事の読みあげ】動画はこちらになります。
こちら更新前の内容となりますが、記載している内容や趣旨は同じです。
- 国外製のIMU方式のデバイスについて
- BOOTH等で販売しているSlimeVRのデバイスについて
- mocopiについて
- 各デバイスの重量について
- ハリトラワイヤレスとユニモーションはどちらが良いか?
- ハリトラワイヤレス、ユニモーションお互い比べてのいい点、悪い点まとめ
- ■IMU方式を選ぶ際の注意点、ハリトラワイヤレス(GX6)とユニモーションとViveトラッカーのどれが良いのか?
- ■Viveトラッカーは現実とほぼ同じ動きですが、IMU方式はズレが発生したりしています。
- ■Q1.どれが地面に埋まらないか?
- ■Q2.ハリトラワイヤレスとユニモーションどっちがドリフトするか?
- ■Q3.ハリトラワイヤレスとユニモーションどっちが長時間使用後にキャリブレーション回数不要か?
- ■Q4.IMU方式のフルトラは、足に別途追加でつければ埋まらないのではないか?
- ■Q5.ハリトラワイヤレス(HaritoraX ワイヤレス)とユニモーションは全部トラッカーをつけないとだめなのか?
- ■Q6.ベースステーションはモーター使っていて寿命が短いので、ハリトラやユニモーションを使います
- ■ハリトラワイヤレス(HaritoraX ワイヤレス)とユニモーション(Uni-motion)のまとめ
- どうしてもIMU方式がいい人
- フルトラデバイスについての個人的な印象
- ■VRChat上でのmocopiと他IMU方式の比較動画
国外製のIMU方式のデバイスについて
こちらの記事は、下記の記事を読まれた方前提で書いています。海外製のIMU方式の一部では、技適やPSE法などの法規に対応できていない状態で購入ができてしまったり、サイトが安全じゃなかったり、宣伝されているものがいくつかあります。
フルトラをVRChatで遊ぶための18種類のツールを全く知らない人向けに一挙紹介!【2024年11月15日現在】
フルトラは体全身を使って操作する技術の略称で、正式にはフルボディトラッキング(以下フルトラ 英語:FullBodyTrackingでFBT)といいます。VRChat上では、一般的に使われている名称です...
pico motion trackerについては、以下の記事で紹介しています
PICO Motion Trackerを自腹で4個買ってVRChatで他のデバイスとフルトラ比較してみた【2024年11月12日ピコモーショントラッカーレビュー記事】
PICO Motion Tracker(ピコモーショントラッカー)は、PICO 4 UltraとPICO 4、PICO 4 PRO、PICO Neo 3ユーザーの一部Picoシリーズでのみ使用可能なフ...
BOOTH等で販売しているSlimeVRのデバイスについて
友人とのふれあいを妨害して実施してくる勧誘や紹介に冷たい対応をすると、ツイッターで個人攻撃する店が中にはあります。
また、それに対して謝罪もしてきません。私が損するばかりでした。非常に悪質です。詳細は下記をご確認ください。
当サイトでは、個人の店も紹介しています。
【要注意】安価でも悪質なフルトラデバイスの販売業者にお気を付けください
悪質なSlimeVRのフルトラデバイスを販売する業者の存在について記載に至った背景の詳細はこちらをご確認ください。簡単にお話しすると当サイトでは今まで友人と交流している状態を遮ってまで、アポなしで、自...
mocopiについて
ハリトラワイヤレスとユニモーションは9軸IMU方式を採用しており、mocopiは6軸IMU方式を採用しており、基本スペック上、動きの再現性において、mocopiは不利です。今回、mocopiを簡単に紹介してから、ハリトラワイヤレスとユニモーションについて比較していきたいと思います。
mocopi OSC版
mocopiはOSC版とSlimeVR版があります。OSC版の動きの例がこちら
これをPCでのVRchat上で15分以上使うのはかなり面倒で煩わしく、15分に1回、1分程度の時間のロスを許容できる人以外は、本当に使い物にならない印象です。詳細はこちらに記載しています。
mocopi SlimeVR版について
しばらく後に出た、SlimeVR版の方が動きが圧倒的に良いので、VRChat用途では、原則こちらを推奨しています。
SlimeVRモードのフルトラでVRChatのmocopiを自腹トライしてみた。
mocopi がアップデートして、SlimeVRを使えるようになりました。従来のものと比較したので、レビューしました。結論として、前より大幅に動きが改善しているし、 VRchat上のフルトラとして使う...
こちらでmocopi、ハリトラワイヤレス、ユニモーションをトライした動画です。
周りから見てわからないことや特徴などを解説しています。
結論から言ってしまうと、動きの再現性やコストの点で、mocopiよりも他の市販IMU方式がお勧めです。
mocopiは出先での利用、モーションキャプチャー用途、持ち運びや軽さ、外見上のメリットは大きいですが、正直VRChat用にはあまり向いていないと思います。ただ、フルトラデバイスは普通にかさばるので、mocopiの手軽さはありがたいです。
また、メーカーもVtuber用途メインで開発しているとのことなので、比較すること自体酷なことかもしれません。
他と比べると独自性が強すぎるため、この記事では、ハリトラワイヤレスとユニモーションどちらがいいかを比較していきたいと思います
各デバイスの重量について
各デバイスの重量をこちらにまとめました。IMU方式は頭➡体➡両膝➡両足の傾き等の情報で姿勢を推定するため、基本5点以上装着が必要になり、全体重量が増えます。この点ご注意ください。下記は、SlimeVRの場合は除きます。(メーカー非サポートのところもあるため)
ハリトラワイヤレス・mocopiの場合:6点
Uni-motion:5点
Vive Tracker&アルトラ:3点
各デバイスの重量と膝ずれ落ち対策について
ここで重要なのは、両膝をどのように対策するかです。mocopi位軽量だと、ベルト(付属品は実質ひも?)で固定していても、ずれることはないと思います。ただ、ハリトラワイヤレスやユニモーション位になると、ずれやすくなります。ずれといっても、ハリトラワイヤレスのずれは、付属のベルトが外れやすいという意味でのずれで、ユニモーションの場合だと重すぎてずれるといった問題が発生しがちです。
ハリトラワイヤレスのほうは、伸縮性が高いので、結構きつめに巻く、ユニモーションの場合は、腰ベルトと非金属性のガーターベルトで吊るという方法が有効です。下記は金属でのガーターベルトですが、こちらをご参考ください
VIVEトラッカーベルトであざができる、痛い、ずれ・装着時間を短縮する方法と締め付けを防止するコツ
VIVEトラッカーベルトであざができる、痛い、ずれ・装着時間を短縮する方法と締め付けを防止するコツを紹介します。私が使っているEozトラッカーベルト及びガータベルトトラッカーベルトのずれ・装着時間を短...
ハリトラワイヤレスとユニモーションはどちらが良いか?
で、実質本題となるハリトラワイヤレスとユニモーションについて書いていきたいと思います。
ハリトラワイヤレスについて
ハリトラワイヤレスにはBluetooth版と専用ドングル版がありますので、専用ドングルの有無で動きの差が顕著に出ています。その詳細や設定から使えるようになるまでの記事はこちらになります。この記事では専用ドングル版を主な比較対象として、描いていきます
ハリトラワイヤレス(HaritoraX ワイヤレス)のBluetooth版と専用ドングルでの9点フルトラで比較してみた
VRChatでフルトラになろうとする際に、まず真っ先に候補として挙がってくるのが、ハリトラワイヤレス(HaritoraX ワイヤレスが正式ですが、以下ハリトラワイヤレス)です。新品で3万円台からフルト...
ユニモーションについて
ユニモーションの設定から使えるようになるまでの記事はこちらになります
ユニモーションでVRChat上でフルトラして、他デバイスと比較してやってみた 20240928版(Unimotion)【Uni-studio v.1.4.1版】
(写真;ユニモーション一式)Unimotionがアップデートしました。アップデートに伴い、どれ位性能がアップしたのか比較動画を作りました。本記事は、前回のおさらいをのぞいた分について、動画でも紹介して...
今回、どちらも読んだこと前提で比較をしたいと思います。
■基本的なスペックの違い
主な違いです。
①接続方式:ハリトラワイヤレスは、Bluetooth接続、対してUnimotionはWifiです。
②電源:ハリトラワイヤレスは、充電。対してUnimotionは乾電池駆動です。
③トラッキング箇所:ハリトラワイヤレスは、足首。対してUnimotionはすねです。
④センサ類;ハリトラワイヤレスの足首部にTOFセンサが搭載されています。
⑤事前購入;通常のPCに付属しているBluetoothの場合、5つしか接続できない可能性があるので、ハリトラワイヤレスは事前に6つ接続できるBluetooth子機の準備が必要。1200円~かかる
⑥初期費用;Unimotionのほうが有利。しかも、フルトラのみに絞った場合、33900円のUnimotion coreがあるのでさらに有利。Bluetooth子機を買う必要もない。
⑦継続費用;乾電池による駆動が要らないハリトラワイヤレスのほうが有利。
■実際使った結果
ソフトウェアの更新、導入、トングルの導入などは、ユニモーションさんのほうが簡単で楽でした。
主な理由として、ドライバの更新の時間が、ハリトラワイヤレスさんは各1分、ユニモーションはおおよそ30秒以内で完了した点、ドライバの更新方法がユニモーションさんのほうがわかりやすく、使い勝手が良かったからです。
ハリトラワイヤレスさんは、ブラウザのどこをどのようにクリックしてよいのか、直感的にはわからず、また更新方法の記載も入力する箇所の後のページに記載されており、修正するために操作手順をみるために、後ろのページにいったりきたりを繰り返す必要があり少し煩わしいです。
まとめとして、ユニモーションさんのほうが簡単で楽でした。特にソフトウェアアップデートが直感的でわかりやすくすぐに終わりました。しかし、こちらで購入するしないを決める人は少ないと思いますので、引き続きほかの点をチェックしていきます。
■VRchat上でユニモーションとハリトラワイヤレス(Bluetooth)を比較
次にUnimotionでの最高モードの144Hzでの動きがこちらになります。
ユニモーション144Hzで動かしてみました。
✅両膝、両足、腰、胸の8点トラッキング
✅結構簡単に導入可能
✅VIVEトラッカーと比べると動きの再現度は劣る。Viveトラッカーのほうがいい。
✅つまずきポイントアバターから白い球がかけ離れすぎていたら、Uni-studio再起動
ハリトラワイヤレス(HaritoraX ワイヤレス)
ハリトラワイヤレス(100fps)で動かしてみました。 以下続きます。
✅両膝、両足、腰、胸の6点 HMD合わせて9点
✅結構簡単に導入可能 キャリブレは面倒
✅つまずきポイントアバターから白い球がかけ離れすぎていたら、HaritoraConfigrator再起動
✅ユニモのほうがなめらかでいい。(トングルとトラッカー間で撮影用の薄い黒幕で覆っています)
■感想 IMU方式の中では、ユニモーションは初心者に優しい。ハリトラワイヤレスは、環境やツールによって凹凸が激しく出る、GX6ドングル購入推奨
ダントツで初心者さん含めお勧めできるのはViveトラッカーなのですが、ここではIMU方式限定で話します。
結局、IMU方式のデバイスは同一環境でトライしなきゃどっちが動きの再現性が良いか、トビが少ないのかなんてわからないと思います。後、ソフトウェアでBluetooth通信でラグがでるとか、自動修正するとかお知らせする機構ないときつい。ハリトラワイヤレスはその点不親切な点が多いから困ってしまいます。対してユニモーションは、一発でばちっと決まって、優れた設計だということを痛感しました。ユニモーションは全体的にラインナップや商品名も明確で、その辺りユーザーフレンドリーさを感じます。
逆にハリトラワイヤレスはマジでその辺り見直してほしいです。通信手段の選択しを増やすことはいいことだし、Bluetooth環境下でできる強みはかなりいいんだけど、人によっての凹凸が激しく出てしまうと思います。個人的にはGX6ドングルセットを標準にして、オプションで外すぐらいのほうがいいと思う。(コストにシビアなシフトールは絶対しないと思うけど)現状だとハリトラワイヤレスを使ってみました動画は人によって凹凸がえげつなく出てしまうのは確実で、それをベースに判断するのはなかなか難しいデバイスだと痛感しました。
もちろんIMU方式を採用している以上、ユニモーションも同じことが言えますが、設定トラブルは圧倒的にハリトラワイヤレスのほうが多く、セットアップからまともに遊べるまでの時間の長さはハリトラワイヤレスのほうが長く感じました。シフトールは複数台フルトラ環境があるとトラブルが発生しやすく、ユニモーションはあまりなかったということを考えても、その点ユニモーションは優れていました。
ただ、ハリトラワイヤレスのなんといってもすごいところは、供給量と徹底的なコストダウン、ベルトの改良等である。また、普段使いの使い勝手は、キャリブレーションをのぞき、充電できるハリトラワイヤレスだろう。ただ個人的には、電池交換の手間を惜しんでも、しっかりキャリブレーションが正確な位置にすぐ来たユニモーションのほうが、好感を持っています。
また2023年、フルトラデバイスをこうして比較検証なんて贅沢なことができたのは、ひとえにシフトールさんが供給体制を大幅に改善したところにあると思っています。シフトールはフルトラの民主化に向けて、確実に真剣に考えており、その企業姿勢には非常に好感が持てる。コストダウンに関しても真剣だ。逆にユニモーションは、供給体制といった辺りが今後の課題になるし、2024年はシフトールは国産VR機器メーカーとしてさらなる発展を目指していくかなーと思っています。
ハリトラワイヤレス、ユニモーションお互い比べてのいい点、悪い点まとめ
ハリトラワイヤレスのGOOD
・供給量と徹底的なコストダウン
・ベルトが取り外ししやすくていい
・普段使いの使い勝手は、充電できるハリトラワイヤレスのほうがいい
ユニモーションのGOOD
・しっかりキャリブレーションが正確な位置にすぐ来た
・fpsを選べるので、電池の持ちを調整できる
・安くて導入しやすい、装着点数が5点からと1点少ない
・複数ラインナップがあるが、商品自体は変わらず、数だけ違うのでわかりやすい
ハリトラワイヤレスのBAD
・標準価格だと3万円台だが、Bluetoothも普通の家庭用ではないもので、別途ドングル類を実質購入する必要があり、実質4万円以上
・Bluetoothを普段使いしている人や電波干渉の問題がある人は、別売りのGXドングルが必須でさらに高額に
・設定でボタン何回押す必要があり、12回とか打っている途中で忘れてしまう
・最低6個と装着する点数が多いので手間
・ドリフトは少な目だが、そもそもの位置に来ない、カクカクすることも多い。
・ハリトラシリーズは、似たような名称が多くて非常にわかりづらい。
ユニモーションのBAD
・乾電池式なので電池交換によるキャリブレーションの手間が発生する
・ハリトラワイヤレスより大きい
・ドリフトが多いので、違和感は感じやすい
ハリトラワイヤレスの方がBAD多めですが、基本的に最初だけで済むBADもいくつかあるので、ドリフトが多いユニモーションと比べると同じかユニモーションの方が悪いという人も多いともいます。あと、SteamVRのアドインがどちらもONにすると共存できずにクラッシュします。。。。(通常版のmocopiはそもそもSteamVR経由はないので、目立つ。)
動きについて、こちらの動画で解説しています。周りから見てわからないことや特徴などを解説しています。
■IMU方式を選ぶ際の注意点、ハリトラワイヤレス(GX6)とユニモーションとViveトラッカーのどれが良いのか?
■Viveトラッカーは現実とほぼ同じ動きですが、IMU方式はズレが発生したりしています。
mocopiも含めた動きについて、こちらの動画で解説しています。動画の見た目は同じですが
周りから見てわからないことや特徴などを解説しています。
IMU方式のフルトラで質問される方の傾向ですが、そもそもライトハウス方式の原理を知らないため、IMU方式もフルトラだから、同じ動きをする、キャリブレーションも少ないと思い込んでいる人がほぼ100%です。VIVEトラッカーと比べて、どちらが動きの再現性が近いかという質問が多いです。原理を知らないので、そういった質問をされるかと思います。VIVEトラッカーは、そもそも空間を認識、光線で常時周辺環境をスキャンしているライトハウス方式のため、原理が全く異なっており、市販品のIMU方式のフルトラの比較対象に本来なりえません。
また、VIVEトラッカーの価格が安すぎるため、比較対象になりがちですが、比較する対象になりえません。IMU方式が認識しているのはあくまで、加速度、地磁気等であり、光線で空間座標の位置を特定する仕組みとは全く別物です。つまり、IMU方式は、見た目の空間にある座標を特定するのではなく、推定しているだけであり、その点が大きく違います。下記リンクでベースステーションの仕組みについてご理解ください。
【フルトラ VRChat】VIVEトラッカー、ベースステーション、Indexコントローラーの購入方法、購入先などを中古、新品の場合で一挙紹介【中編】!!【20240714版】
■Q1.どれが地面に埋まらないか?
Viveトラッカーは基本埋まりません。ハリトラワイヤレスやユニモーション、mocopi等の市販IMUは環境要素や設定要素が強いですが、埋まったりドリフトしたりします。また、ハリトラワイヤレスには地面が埋まらないモードがあり、他IMU方式もあるので、そこは気にしないほうがいいです。
ただ、このモードは、地面に押さえつけるものなので、トラッキング位置が不正確だった場合、他のトラッキングポイントが押さえつけられるようになり、没入感が減ってしまうからです。
また、IMU方式の比較をされる方で一番最初に理解していただきたいのですが、基本的に【VIVEトラッカーは精度の割に安価すぎる】という理解でお願いします。そのうえで、ベースステーションは、地面にコントローラーを置いて、キャリブレーションします。なので、埋まるか埋まらないかでIMU方式の両社を比較しても仕方ない、原理上実際の距離を測定しているViveトラッカーと推定で動きを検知しているIMU方式には、勝てないと思います。個人的な感覚ですが、誤差はIMU方式は良くて、数センチ単位なのに対して、Viveトラッカーはミリ単位という認識で、差としては10倍ぐらいあるという認識です。(HMDがベースステーションで位置を取得している場合)
VIVEトラッカーの場合は、地面を地面と初期設定で決めていて、かつ正確に測定しているのです。IMU方式って周囲の環境そもそも目に見える形でスキャンといった設定をしているのでしょうか? していないと思います。ちなみにですが、カメラフルトラでもMocapForAllは地面の設定をQRコードでしています。していてもこんな感じでふわふわします。
地面に埋まる問題はOVR等で何とかなるので、それよりもこの「ふわふわする」ドリフトやベルトの装着感、充電の手間のほうを気にした方がいいかなぁと思います。
■Q2.ハリトラワイヤレスとユニモーションどっちがドリフトするか?
上記の比較動画を見てください。どっちも普通にしていると思います。ただ、ユニモーションの方が強い印象です。
■Q3.ハリトラワイヤレスとユニモーションどっちが長時間使用後にキャリブレーション回数不要か?
Viveトラッカーと比較すると圧倒的にどちらも多いです。下記のハリトラの動画を見てください。といってもトライしている30分の間でも何回かキャリブレーションしました。回数は、上記フルトラデバイス一覧に追記しました。当研究所調べになるので、その点ご注意ください
ハリトラXの検証動画です。45分テストをやっています。見た感じですが、45分以上でもいけそうですね。また、トラッキング点数が多いほど影響受けやすいので、6点フルトラの場合で長時間利用しない用途だったら、ハリトラX(有線)でも全然問題ないと思います。
何度も言っているように、どちらも環境によって差が激しいのがIMU方式です。当サイトでは、ハリトラワイヤレスとユニモーションどっちもつかってVR睡眠しましたが、VIVEトラッカーと比べてしまうと、あんまり差はなく、基本的に起きた後どっちもぐちゃぐちゃになっていました。
個人的な主観ですがIMU方式の中では、有線のハリトラが一番安定していると聞いたことがある位です。キャリブレーション回数で不満がある場合は、VIVEトラッカーは、VRchat上で一回のみなので、IMU方式と比べて、1/2量が減るので、圧倒的に楽かと思います。
■Q4.IMU方式のフルトラは、足に別途追加でつければ埋まらないのではないか?
俗にいう接地感は変わらないです。個人的に何度も申し上げていますが、IMU方式とVIVEトラッカーは仕組み上別物です。IMU方式のトラッキング点数は、頭➡体➡足➡足先と情報を流して推定して位置を取得しているため、どうしてもトラッキング点数が多い仕組みとなっています。対してViveトラッカーは、トラッカー一個は実質コントローラ扱いなので、1点から8点(VRC上の場合11点が限界なので)までトラッキングの数を調整することが可能で、かつ各トラッカーは、ベースステーションから発するレーザーによって、位置を正確に把握できるため、動きの再現性が全く違います。動きを精度を求めるためにトラッカー2点追加するお金があって精度を求めるのなら、VIVEトラッカーを買いましょう。
■Q5.ハリトラワイヤレス(HaritoraX ワイヤレス)とユニモーションは全部トラッカーをつけないとだめなのか?
全部つけないとだめです。専用ソフトではなく、SlimeVRを使う場合はちょっとわからないし、そもそも非公式対応なので、書きません。だからViveトラッカー勧めているんですよね。あと、SlimeVR対応公式で案内しているのmocopiだけですので、自己責任になってしまいますね。
■Q6.ベースステーションはモーター使っていて寿命が短いので、ハリトラやユニモーションを使います
基本的にフルトラは、フルトラを導入して、設定やめんどくささから、飽きが来て押し入れにしまうか、メルカリに売ってしまう人がほとんどです。なので、寿命を気にするよりも、設定のめんどくささを気にした方がいいと思います。飽きる人は3か月で飽きます。
ユニモーションやハリトラを使う理由になりそうですが、自分はそうは思っていません。確かに2年半ぐらいでベースステーションが1台壊れるときもあり、在庫がない場合だと問題です。ただ、フルトラ機材の場合、飽きて使わなくなる、家のものにぶつけて破損する、コードを断線させてしまう、サポーターが老朽化するのほうが先に来るかと思います。その心配は3か月以上フルトラできると思い込んでいる人が考えがちな悩みです。はじめはその心配よりも、IMU方式を選択して、キャリブレーションの手間や調整で、VRChatでプレイする時間が減りながらイライラしながら、自分が長期間フルトラを続けれるか?のほうを本気で心配した方がいいと思います。
■ハリトラワイヤレス(HaritoraX ワイヤレス)とユニモーション(Uni-motion)のまとめ
初期導入のめんどくささについて
Unimotionのほうが、色々ケースとか作ったりしないといけませんが、ソフトウェア関連の設定が楽で、VRchat上でもパフォーマンスがでるので良いです。対してハリトラワイヤレスは、問題にあたってはマニュアルを見るみたいなフローが結構多く、初期の導入の段階だと正直、Unimotionの方がお勧めしやすいです。
しかし、まだ初期導入の段階なので、何とも言えません。初期導入までのステップならとりあえずUnimotionがお勧めです。
継続利用を考えるとキャリブレーションの回数、電池交換、トビ等が関係してくるので、どちらかといえば、こちらのトラブルがどれ位多いかが重要な問題でしょう。
さらにいうと、UnimotionとHaritoraWirelessは無線の種類も違います。まずはUnimotion
寸法 60 mm x 40 mm x 16 mm 動作電源 1.5 V 単3乾電池(AA,LR06) 動作時間 24時間以上 センサ 9dof IMU/AHRS (加速度・角加速度・地磁気) 加速度計範囲 ± 16 g ジャイロスコープ範囲 ± 2000 dps 磁力計範囲 ± 4900 uT 無線方式 2.4 GHz (IEEE 802.11,Wi-fi) フレームレート 60fps、70fps、144fps レイテンシ ~ 10 ms (70 Hz, 144 Hz) ~ 33 ms (60 Hz) https://uni-motion.com/ 仕様より
無線方式はWifiです。対してHaritoraWirelessは
無線通信方式 Bluetooth または専用通信ドングル(別売り)による独自通信https://ja.shiftall.net/products/haritorax-wより引用
無線通信方式はBluetooth または専用通信ドングル(別売り)による独自通信となっており、通信方式による精度の違いなども出てきます。たまにハリトラワイヤレスのほうがいいって言ってくる方がいるのですが、このBluetoothとwifiの無線環境次第で、動きの滑らかさに非常に大きな差が出る方式のデバイスだと思いますので、環境によって差が出やすいデバイスであることは間違いないと思います。こちらのベースステーション記事を見ていただくとわかるのですが、自宅環境をベースステーションに最適化しております。また、防音室もフルトラ用に自作しており、同一環境下で比較検証をした場合、ベースステーション環境が最強になるように設定していることをご了承ください。ただ、それを抜きにしてもベースステーション搭載の環境の方が、他の方と比べ、再現性は高いと思っています。
【フルトラ VRChat】VIVEトラッカー、ベースステーション、Indexコントローラーの購入方法、購入先などを中古、新品の場合で一挙紹介【中編】!!【20240714版】
床はこんな感じです。一般の環境でトライしていませんのでご注意ください。なおアブソーバーはバランスボールみたいなものなので、金属はありません。
詳細はここに書いています。
VRchatをする部屋が固定しているような環境で出先で使わない人の場合は、マジでVIVEトラッカーの方が圧倒的に楽です。VIVEトラッカーに移行できるのなら、そっちにした方がトラブルも少なく、初期導入も楽です。充電も面倒ではないです。
IMU方式のフルトラユーザーを見ていて思うのですが、いっつもハリトラ⇔ユニモ⇔mocopiと行ったり来たりしていて、最終的にVIVEトラッカーの初期導入よりもお金使っているケースが結構見られます。時間もお金も使って、VIVEトラッカーよりいい動きやトラブルが減ればいいのですが・・・絶対減らないと思いますよ。自分は確信しています。
なので、IMU方式を右往左往する人は、IMU方式の対策や分析をするのが好きで買ったり、環境的に全く問題がない、ベースステーションの設置に問題があるという人向けになります。カメラ方式のフルトラならまだわかるんですけど、トラッカーつける手間とソフトの調整が一番時間かかるため、VIVEトラッカーにしてしまえば、その辺りの短縮につながりますです。
なので、自分はVIVEトラッカー使い続けます。
こんな感じでトラッカー外し芸もできて面白いからね。(これが主な理由です)
ユニモーション、モコピ、ハリトラワイヤレスは、持ち運べるので、そこが最大の利点ですが、自分は引きこもりなので、VIVEトラッカーでいいですね。あと腰トラッキングだけをどうしても外したくないって人にはIMU方式おすすめです。
どうしてもIMU方式がいい人
以上のことから、VIVEトラッカーじゃなくてIMU方式の方がいい人をまとめてみました
・周りから見て、自分はずれている違和感をもっていても、絶対に腰トビしたくない人(全身ぐにゃるとは別で腰トビだけ避けたい)
・毛布かけたい、外にデバイスを露出させたくない人
・部屋が狭すぎて全然動けない人
・ラブホみたいに部屋が鏡だらけ、日当たり良すぎる、酒瓶やお酒だらけで反射環境が良くない人
・普段から外出だらけ、Quest単体起動をかなりの頻度でやっている人
・数十分しか使わない人
・予算4万円の人
・とりあえずフルトラを試してみたい人
フルトラデバイスについての個人的な印象
個人的にですが、VRchatのフルトラは、VIVEトラッカーが精度の割にものすごく安すぎるだけであって、IMU方式はかなり頑張って精度出していてあの値段って印象を持っています。安いに越したことはないのかもしれないけど、設備投資に回せず、産業細るからこの値段で事業継続できるんだろうかとIMU方式のフルトラが事業として続けれるのか、ものすごく不安になっています。
個人的にVRchatのフルトラは、VIVEトラッカーが精度の割にものすごく安すぎるだけであって、IMU方式はかなり頑張って精度出していてあの値段って印象を持っている。安いに越したことはないのかもしれないけど、設備投資に回せず、産業細るからこの値段で事業継続できるんだろうかと不安にはなっている
— ヒロ/フルトラ研究所(フルトライター芸人)VRChat :hiro124 (@hiro124_VRC) December 25, 2023
■VRChat上でのmocopiと他IMU方式の比較動画
この記事の後、大型アップデートが行われており、SlimeVRで機能が大幅に改善しています。ただ、VRchat用途だと、まだまだ厳しい点があります。独自のポイントもいくつかあるので、詳細は記事を見てください。詳細はこちら
SlimeVRモードのフルトラでVRChatのmocopiを自腹トライしてみた。
mocopi がアップデートして、SlimeVRを使えるようになりました。従来のものと比較したので、レビューしました。結論として、前より大幅に動きが改善しているし、 VRchat上のフルトラとして使う...
さらりと動きの比較を見たい方向けに動画も貼っておきます。Viveトラッカーの動きが現実とほぼ近い動きです。
他IMU方式はそれに対していくらかずれています。